ゆるぎない建築構造のひとつRC造（Reinforced Concrete）は、引っ張り力に強い鉄筋と圧縮力に強いコンクリートの双方の長所を組み合わせる事で理想的な耐久性を発揮する構造です。建物を支持する上で最も重要とされる柱には耐力的な粘りを与え、せん断破壊を防ぐために、帯筋の間隔を短いピッチ（約100mm以下）で主筋に巻き付けています。コンクリートのかぶり厚さも建築基準法に定められた寸法を上回る約40mmを確保し、粘り強い構造と強度、耐久性を確保しています。また、外壁はコンクリート内に鉄筋を二重に組み上げたダブル配筋にしています。シングル配筋に比べて高い構造強度が得られます。窓や出入り口の開口部には、補強として開口補強筋を施しています。地震時における開口部の負担を和らげることにより、開口部廻りのひび割れを抑制します。

地震時に加わる主要構造体への負担を和らげるため、非耐力壁には耐震スリットと呼ばれる溝を設けています。このスリットにより、柱が破壊されるのを抑制します。また、非耐力壁の縦・横・斜め・X型などのクラック（ひび割れ）を抑制し、もしもの場合にも、壁面全域にわたるクラックをスリット部で遮断します。

最上階住戸には、屋上への照りつけによる室温上昇を抑えるため、屋上に断熱材（35mm厚）を敷き詰める外断熱方式を採用しています。また、住戸の外気とふれあう壁面・柱・梁には、断熱材（20mm厚）を吹き付けた上に、仕上げ材を貼りました。温度差によって発生する結露の防止に大きな効果をもたらせています。