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不動産投資の失敗事例から学ぶ賢い投資の方法

不動産投資は株やFXよりも価格の変動が少なく、アパート・マンション経営による安定した家賃収入が見込めるため、比較的リスクが低い投資だと言われます。投資初心者でも失敗しにくく利益が出しやすいと勧められる事も少なくないでしょう。しかし当然、不動産投資も入居者がいて家賃収入があってこそ成り立つのであり、需要がなければ投資として成立しなくなります。今回は不動産投資の失敗事例をもとに、どうすれば不動産投資で失敗しないのか学んでいきましょう。

失敗事例その①:高い利回りに目がくらんで物件を選んだ

Aさんは、郊外でワンルームマンションを購入しました。決め手となったのは、750万円という購入費用の低さと、そして高い利回りです。月5万円の家賃収入を想定しており、単純計算で表面利回りは8%となります。初めこそ入居者がすぐに決まり、家賃収入を得ていましたが、一度退去してしまった後はなかなか次の入居者が見つかりません。郊外という場所柄や、築年数が古く決して好条件の物件ではないことからも、次の入居者が決まらなかったのです。結局家賃を月4.5万円まで下げることで入居者が見つかりましたが、空室期間が3か月間空いてしまいました。その年の利回りは単純計算で5.4%と、想定していた8%から大きく下回る結果となってしまったのです。

この失敗例の要因は、高い利回りに目がくらんで物件選びをしてしまったことです。いくら高利回りでも、当然マンションへの入居者がいなければ安定した家賃収入は得られません。物件選びをする際には、家賃が適正価格であるかどうかという見極めが重要です。入居者のニーズを踏まえて検討しましょう。

失敗事例その②:マンション購入費用の返済計画を考えていない

40代のBさんは、60代を迎えるまでに返済を終わらせたいということで、15年返済の融資によって投資用マンションを購入しました。投資を初めて3年ほどは順調に返済を進めていたのですが、空室が目立つようになるとともに返済も苦しくなり始めます。初年度に比較的収入が良かったこともあり、翌年は所得税や住民税が上がりました。その後は修繕費用がかさんだことなどもあり、出費が増加する一方で家賃収入は減少し続けました。最終的には返済が困難になり、マンションを手放す結果となりました。

マンション購入費用の返済計画については、さまざまなパターンをシミュレーションしたうえで返済計画を組む必要があります。リスク回避をするためには、物件管理や維持のコスト、想定空室率などをもとにキャッシュフローがマイナスにならないような返済計画を立てましょう。冷静な判断をするためにも、複数の金融機関で融資条件を比較することも大切です。

失敗事例その③:マンションのランニングコストを考えていなかった

Cさんは、自身でも入居可能なうえ家賃収入の金額が大きいという理由から、ファミリータイプのマンションを購入しました。確かにワンルームで運用するよりも、月々の単純な利益は大きくなります。しかし、物件の規模が大きいほど共用部分の修繕積費用や設備交換費用が短期間で上がりやすいことまでは考えておらず、あっという間に赤字経営に陥りました。

修繕費や設備交換費用、リフォーム費用などはマンションのランニングコストにあたります。その他、マンション投資を行なう際にかかるランニングコストとしては、入居者の管理・募集費用、固定資産税や都市計画税、不動産所得に関する所得税、そしてローンの支払いなどが含まれます。修繕費や設備交換費用、リフォーム費用といったものはあらかじめ明確な金額を想定するのが特に難しいこともありますが、リスクヘッジの観点からもあらゆるシミュレーションをしておくべきだと言えるでしょう。

失敗事例その④:想定よりも部屋が埋まらず、空室赤字

Dさんの場合は、好立地で築浅の物件を購入しました。駅から近いという好条件だったこともあり、空室保障を付けずに運用することにしたのですが、すぐに後悔することとなってしまいます。

購入した物件が、地域の周辺物件と比較してグレードの高いファミリー向けマンションであったからか、買い手がなかなか見つからないまま数ヶ月が経ち、空室赤字となったのです。物件の条件自体は良かったのですが、「周辺物件と比べて賃料が高すぎる」「高級なマンションのニーズがない」などの理由から、地域のファミリー層が安定して住み続ける物件とは言えなかったようです。

投資物件を選ぶ際は、物件の条件は非常に大切です。もちろん、立地条件や築年数等に配慮した点は間違いではありませんでした。しかし、入居者のタイプやニーズのリサーチに関しては甘かったのかもしれません。エリアの入居者情報や物件情報などを踏まえて、空室保障を検討した方が良かったのかもしれません。

失敗事例その⑤:投資対象の物件内容をよく調べずに購入した

Eさんが失敗した理由は、投資対象の物件内容をよく調べなかったことだと言います。購入したのは、駅近・築浅・綺麗な外観などの条件が揃った物件でした。しかし、実はその物件があるエリアはここ数年で治安が悪化していたのです。物件も一見すると綺麗に見えたのですが、足を踏み入れるとゴミ置き場に粗大ゴミが放置されていたり、手入れが十分でないのか築年数の割に共用部が薄汚れていたりと、決して好条件とは言えないものでした。

立地条件や外観等の写真だけで投資物件を購入したために、適正な判断ができなかったのです。一見条件の良い物件があると、投資家は現地を訪れずに決めてしまうことが少なくありません。きちんと物件の内容を調べていないと、投資失敗のリスクが上がります。そのため、購入する際に少しでも不安に感じる部分があるのなら、物件へ足を運びましょう。

失敗事例その⑥:1つの大学や企業に依存した物件選び

不動産投資の経験もあるFさんが投資物件として選んだのは、郊外の私立大学近くにあるワンルームマンションでした。セキュリティ面がしっかりしていたため1人暮らしの学生の需要が見込めると踏み、購入を決めたのです。実際、入居率も安定して想定通りの利益が得られました。ところが購入から4年後、私立大学が移転することに。学生数の減少により都心のキャンパスへ移ることとなったのです。もともと学生の入居者のみを見込んで選んだ物件だったため、大学の移転後は空室赤字が続く結果となりました。

有名・名門大学でない限り、少子化の時代いつ撤退するかも分からない大学に依存するのは、リスクヘッジが不十分だったと言わざるを得ません。企業の場合も同様で、大きな工場があるからといって、その需要に依存した物件選びも危険です。特定の大学や企業による需要を見越して物件を買うのではなく、その他の条件も加味して、いざという時にも一人暮らしの需要がなくならないような物件を選ぶようにしましょう。

不動産投資で失敗しないために

不動産投資で失敗を招く原因はさまざまですが、共通して言えることは知識不足です。投資の成功例を見聞きしていると、自分でもできるのではと十分な知識を持たずに不動産投資を始めようとしてしまうのです。株やFXよりも比較的安定した投資とはいえ、当然不動産投資においても失敗すると大きな損失を生み出すことがあります。

投資を始めてから運用について学ぼうとする方もいるようですが、大事なのは事前の勉強です。本当に好条件な物件を選択するため、また計画性を持って投資をするためにも、投資を開始するまでに知識を得るという工程が欠かせません。不動産投資にはどのようなコストがかかり、リスクがあるのかなど、知識を持って収益とのバランスを考慮した返済計画を考えなくてはなりません。

ただ、やはり一から勉強を始めた場合に、知識を深めるのが難しい部分も出てくるでしょう。判断に迷うことも出てくるかと思います。そんな時は、専門家に頼るのも1つの手です。信頼できる不動産業者を見つけたり、経験豊富な投資家との繋がりを持ったり、専門家に相談できる環境を作りましょう。質問したり相談したりしてアドバイスをもらうことで自分の知識になり、不動産投資の失敗を回避することにも繋がります。

また、今回紹介したような失敗事例から学ぶことも大切です。ケーススタディとして、自分なりにさまざまな事例で失敗の原因や解決策、リスク回避の方法などを考えてみると良いでしょう。失敗例に限らず、不動産情報を集めて投資のシミュレーションしてみるのも良い勉強法の1つと言えます。

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