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橋下徹氏
府と市の対立が薄れる大阪の未来「カジノを運営するのに夢洲以上の適地はない」

2019年7月7日、プレサンスコーポレーションが共催するイベント「大阪の未来展望と不動産市況」が開催されました。スピーカーとして登壇したのは、大阪のみならず日本の行方に影響を与えるキーマン、橋下徹氏。大阪市長・大阪府知事・維新の会代表といった立場を経験した橋下氏だけが語れる、大阪の都市としての問題点、それを解決した先にある大阪の可能性は何なのでしょうか。

東京は「府と市の一本化」で急速に発展した

大阪は日本第二の都市と言われながら、東京に大きく差をつけられています。なぜ、このような状況になってしまったのでしょうか? 原因は、東京は政治経済の機能が都に一本化しているのに対し、大阪は府と市に分かれている点にあります。

それを打開すべく僕が打ち出したのが「大阪都構想」であり、実行するハードとして立ち上げたのが「大阪維新の会」です。維新の会の台頭によって大阪は激変しました。

かつての東京も大阪のように府と市に分かれていました。それがひとつになり機能的になりました。大阪も同様に維新の会が「大阪都構想」を打ち出し、府と市の一本化を目指していますが、道半ばです。しかし、過去を見てみると東京の府と市の一本化もそう簡単ではありませんでした。だからある程度、期間がかかるのは仕方ないと思っています。

1868年に明治維新が起こり、1871年の廃藩置県でこの諸藩が再編されました。この流れの中で、日本に府が3つできました。東京府・京都府・大阪府です。

東京の都心部(現在の23区)については府に組み込まれず市になりました。現在の大阪と似たような状況です。その後、東京府と東京市が一本化されたのは1943年のことです。一方で、大阪は府と市のままで放置され続けています。

なぜ、府と市がわかれていると不効率かというと、都市開発の資金が少なくなるからです。

維新の会の台頭で大阪の「府と市の対立」は薄れつつある

大阪の場合、市中心部の開発をする際は大阪市民約270万人の市民税でまかなう。これに対して東京は、約1300万人の都民の税金でビッグプロジェクト開発を行う。270万人対1300万人ですから、人数比で約5倍もの開きがあります。両者に差が生まれるのは当然です。

この府と市の対立を打ち破るべく、松井一郎さんらと「大阪都構想」を打ち出しました。ただ東京で半世紀近くかかったことを大阪で2~3年でやるのは難しいので、暫定的に大阪府庁と大阪市役所の上に外付けでつけたのが「大阪維新の会」です。

未だ境界のある大阪ですが、維新の会の台頭によりひとつの都市になりつつあります。実際に、「大阪市内の開発だけど、大阪府全体に波及効果があるから市と府が資金を折半しよう」といったことが可能になってきたわけです。

カジノ(IR)を運営するのに夢洲以上の適地はない

2018年7月カジノ法案が成立しました。大阪がその有力候補地になっていることは皆さんご存じでしょう。カジノを誘致できる自治体は3カ所。政府はまだ正式発表できませんが、個人的には「大阪は確定」だと思っています。

今でこそ、IR(カジノを含む統合型リゾート)の拠点となる夢洲は注目されていますが、かつては開発に失敗したエリアでした。

以前は、夢洲に集まってくるのは人やお金ではなく、コンテナばかりでした。これはコンテナが不要ということではありません。都心部に工場を集めても効率的ではないということです。都心はサービス産業中心というのが基本。こういう都市の根本に関わることは政治が考えなければいけません。僕が夢洲活用で打ち出した策はカジノでした。

カジノを運営するのに、夢洲のような適地は他にはありません。開発が進めやすい広大な平地ということはもちろん、入場管理するには島が一番。また、大都市に近いためアクセスしやすくインフラ整備も整っています。さらに、訪日旅行客のことを考えると関空と神戸空港に近いことも利点です。

誘致が実現すればIRの経済効果はかなり大きいです。建設投資が2兆円、経済効果は年間1兆円、来場者数は年間3,000万人。合わせて雇用は、直接雇用で1万人、関連雇用で7万人。大阪府と大阪市が一体になったから、ここまでのビッグプロジェクトが可能になりました。

今後の大阪のロードマップは、「うめきた」の街開き(2期)、IRの誘致の決定、そして2025年の大阪・関西万博と展開していきます。これらが実現すれば、大阪経済はさらに大きく動いていきます。

大阪は今、ダイナミックに動いています。過去の大阪はみんな考えるだけで行動力がなかった。アイデアを実行する組織に問題があった。これを突破するために打ち出したのが「大阪都構想」。そして、そのための暫定的な意思決定機関として設けたのが「大阪維新の会」。

大阪は衰退してどうしようもないと言われてきましたが、多少明るさを取り戻してきたと思います。このロードマップを念頭に置きつつ、これからの大阪がどう変わるのかに注目していただきたいですね。


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