大阪が止まらない
IR×万博で関西経済がとんでもないことになる

大阪万博も大阪IRも会場は夢洲。どこにあるの？

大阪万博や大阪IRには人工島の「夢洲」で行われるという共通点があります。全体の面積は約390ヘクタール、このうち約70ヘクタールがIR用地、約100ヘクタールが万博用地（6割：集客用地など、4割：宿泊施設）となる予定です。JR大阪駅からのアクセスは、約 30 分をかけて地下鉄中央線のコスモスクエア駅へ到着。さらに、ここからバスに乗って移動します。大阪万博の開催時には、夢洲までJR桜島線が延伸予定です。（詳細は後述）
 

万博、IRってそもそも何？

大阪万博と大阪IRの基本もチェックしておきましょう。万博とは、「国際博覧会条約」という国際条約に基づいて、複数の国が参加して行われるビッグ・イベントです。各国の文化や最先端の技術などを展示します。一口に万博といっても2種類あり、大規模で総合的なテーマの「登録博」とテーマを絞った「認定博」に分かれます。

ちなみに、大阪万博は登録博覧会です。登録博覧会は、原則5年に1回のスパンで開催されています。日本で過去に開催された万博は、1970年日本万国博覧会（大阪）、2005年愛・地球博（愛知）などがあり、今回で5回目になります。IRとは、カジノやホテル、劇場、国際会議場、ショッピングモールなどの施設が集まった複合施設のことです。

ラスベガスやシンガポールなど成功を収めた都市では大きな税収と経済波及効果を生み出しています。日本では、カジノ解禁を盛り込んだIR推進法が2018年4月に可決されて同年7月20日に成立しました。北海道、長崎、首都圏などの候補地がありますが、大阪はその中でも最有力といわれています。

大阪万博と大阪IRによる経済波及効果はどれくらい？

大阪万博や大阪IRは、どれくらいの経済波及効果をもたらすのでしょうか。1970年の大阪万博では約6,421万人が来場し、約4兆9,509億円の経済効果がありました。また、2005年の愛知万博では約2,204万人が来場し、約2兆8,000億円（交通機関などを含めると約7兆7,000億円）の経済効果をもたらしました。

今回の大阪万博の経済波及効果は、2兆2,000億円と試算されています。来場者2,800万人のうち、300万人を訪日客が占める、インバウンド色の強い万博になるとの予測です。（りそな総合研究所の試算）一方、IRの経済波及効果については、IRを2010年から実施したシンガポールを参考にすると、観光客数は2009年の968万人から2015年には1,523万人に急増しています。

また、観光客数の増加に合わせて年間観光収入も2009年の約124億シンガポールドルから2013年には約235億シンガポールドルに拡大。大阪IRでは、投資規模9,300億円、年間利用者数2,480万人（うちカジノ利用者590万人）、年間売上4,800億円と見込まれています。（大阪市・大阪府の試算）好調のインバウンドの影響で消費や不動産価格が伸びている大阪に、これらの経済波及効果が加わればその勢いは計り知れないものになりそうです。

大阪万博、大阪IRのハードルとは？

大阪万博や大阪IRに課題があるとすれば、夢洲までのアクセスです。現在の夢洲への直接的な公共交通のアクセスは、バスしかない状況ため、JRや地下鉄の延伸を急ピッチで進める必要があります。大阪メトロ中央線では、2024年度までに大阪メトロ中央線の「コスモススクエア駅から夢洲」までを延伸して新駅を開業させる予定です。この整備は、約540億円必要といわれています。

一方、JR西日本グループはJR桜島線を延伸させて、夢洲に新駅を設置するプロジェクトを打ち出しています。今後のスケジュールは未定の部分もありますが、これからの大きな進展が期待できるでしょう。
 

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