アパート経営を不動産投資で購入した区分マンションはどのタイミングで売却するのがよい?
不動産投資は賃料収益総額と売却益を合計し、経費総額を引いて黒字になれば投資は成功です。
そのため、売却益の金額は不動産投資を成功させるかどうかに大きく影響します。
つまり、区分マンションを高く売れるタイミングが分かっていれば、不動産投資を成功させやすくなるということです。
本記事では、不動産投資で購入した区分マンションを売却する流れ、売却に必要な費用、売却のタイミングなどを解説します。
最後まで読み進めていけば、区分マンションの売却時期のイメージがもて、不動産投資を効率よく進めていただけるのではないでしょうか。
区分マンションの売却の流れ
区分マンションを売却するときには、様々な手続きを行う必要があります。
区分マンションを売却するときの一般的な流れは、次の通りです。
1.不動産仲介会社に区分マンションの査定をしてもらう
2.不動産仲介会社と媒介契約を締結する
3.不動産会社が区分マンションの売却活動を行う
4.買い手が見つかったら買主と売買契約を締結する
5.区分マンションの引き渡しを行う
6.区分マンションを売却した翌年に確定申告する
区分マンションを売却するときには、まず不動産仲介会社に査定をしてもらいます。
査定はできる限り複数社の査定を受けるようにしましょう。
1社だけの査定では、正確な査定額を提示されているのか判断できません。
査定金額に納得できたら、不動産仲介会社と媒介契約を締結します。
媒介契約には次のような契約形式があり、内容が契約形式により異なります。
専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
---|---|---|---|
依頼可能な会社数 | 1社のみ | 1社のみ | 複数社 |
依頼主への報告義務 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | なし |
レインズへの登録義務 | 5営業日以内 (媒介契約締結から) | 7営業日以内 (媒介契約締結から) | なし |
自己発見取引 | 不可 | 可 | 可 |
不動産会社と媒介契約を締結すると、不動産会社が区分マンションの販売活動を開始します。
販売活動をして不動産購入検討者が現れたら、その検討者と売買条件のすり合わせをし、売主と不動産購入検討者の条件が合えば売買契約を締結します。
売買契約締結は終わったら不動産を引き渡し、引き渡しをした日の翌年の確定申告をします。
確定申告まで終えたら区分マンションの売却手続きは完了です。
区分マンションの売却諸費用
区分マンションを売却するときには、諸費用がかかります。
売却するときにかかる主な費用は、次の表の通りです。
項目 | 備考 | 支払う時期 |
---|---|---|
仲介手数料 | ( 売買代金 × 3% + 6万円 ) + 消費税 ※売買代金が400万円以上の場合の計算式 | 売買契約時と決済後 |
印紙税 | 1,000円∼6万円くらい ※売買契約書の記載金額が100万円〜1億円未満の場合 | 売買契約書の作成時 |
抵当権抹消費用 | 1,000円/件 ※司法書士に依頼する場合は1万∼5万円 | 移転登記時 |
ローン一括返済手数料 | 一般的に5,000円~3万円くらい ※金融機関により異なる | ローン返済時 |
譲渡所得税 | 所得税額(短期) = 売却益 × 39.63% 所得税額(長期) = 売却益 × 20.315% | 確定申告後 |
売却のときに必要な費用の金額は、売却するマンションの売買代金や購入金額により異なります。
正確な売却諸費用が知りたいときには、不動産仲介会社に確認しましょう。
区分マンションを売却するタイミング
区分マンションを売却するタイミングは意外と多くあります。
売却する主なタイミングは、次の通りです。
● マンションの大規模修繕が終わった
● 区分マンション所有期間が5年経過した
● 他の部屋の募集賃料が下がってきた
● 減価償却期間が終了した
ここでは、これらの項目を解説します。
マンションの大規模修繕が終わった
マンションの大規模修繕が終わると、マンション全体がキレイになったり設備が更新されたりするため売却を早くできます。
ただし、大規模修繕を行うとマンションの積立金がなくなり、1から積立直しになることをマイナスに捉える買主がいることには注意が必要です。
区分マンション所有期間が5年経過した
不動産は所有期間が5年を経過すると譲渡所得税の税率が下がるため、売却益が出た場合の税金は減少します。
所得税の税率は5年以下の場合39.63%、5年を超えると20.315%に下がります。
なお、この5年は次のようなカウントで判断をします。
不動産を売却した年の1月1日現在、不動産の所有期間5年を超えているかで税率が変わります。
他の部屋の募集賃料が下がってきた
他の部屋の募集賃料が下がってきた場合、所有している部屋の賃料も下がる可能性もあります。
賃料が下がると空き家になった後の再募集賃料を下げなくてはならなくなります。
そうすると収益率が悪化してしまうため、空き家になる前に売却して資金を回収するわけです。
減価償却期間が終わり減価償却できなくなると不動産所得の必要経費が少なくなるため、期間が終わる前に売却してしまいます。
減価償却期間が終了した
なお、減価償却期間(耐用年数)は次のような方法で計算します。
【新築で区分マンションを購入した場合】
新築で区分マンションを購入した場合は、法定耐用年数が耐用年数になります。
法定耐用年数 = 耐用年数
法定耐用年数は次の表の通りです。※1
構造 | 事業用 | 自己居住用 | |
---|---|---|---|
木造 | 22年 | 33年 | |
鉄骨造 | 骨格材厚 3mm以下 | 19年 | 28年 |
骨格材厚 3mm~4mm | 27年 | 40年 | |
骨格材厚 4mm超え | 34年 | 51年 | |
鉄筋コンクリート造(RC造) | 47年 | 70年 |
【中古で区分所有マンションを購入した場合】
中古で区分マンションを購入した場合は、次のような計算で耐用年数を計算します。
耐用年数 = 法定耐用年数 – 経過年数 + 経過年数 × 20%
※計算上で出た1年未満の端数は切り捨て
シミュレーションとして築27年の鉄骨鉄筋コンクリート造を、事業用目的で購入した場合の耐用年数を計算してみましょう。
47年(法定耐用年数) – 27年(経過年数) + 27年(経過年数) × 20% = 33.5
1年未満の端数は切り捨てなので、耐用年数は33年です。
そのため、この場合は33年間減価償却できます。
区分マンションの売却方法
区分マンションを売却する方法は賃借人が入居している状態と、空き家の状態で変わります。
ここでは賃貸人が入居している状態と、空き家の状態での売却方法を紹介します。
賃借人が入居している状態
賃借人が入居している状態でも区分マンションを売却できます。
そして、マンションを売却について賃借人の同意を得る必要もありません。
ただし、売買契約後には賃貸人の地位承継通知を賃借人に行う必要があります。
賃貸人の地位承継通知とは、マンションの所有者(大家)が変わったことを通知し、賃料の支払先などを通知することです。
賃借人が入居している場合は収入や支出が確定しており、早く売却できる可能性があります。
空き家の状態
空き家の状態で売却するときには収入が確定しておらず、賃借人が入居しているときよりやや売却しづらくなります。
ただし、自宅用として売却できる可能性がある区分マンションであれば、比較的空き家の状態でも売却しやすくなります。
まとめ
不動産投資を成功させるかどうかは、区分マンションの売却を上手く行えるかどうかが影響します。
そして、区分マンションの売却を上手く進めるためには、売却するタイミングを知っておくことが大切です。
区分所有マンションを売却するタイミングは、マンションの大規模修繕が終わった・区分マンション所有期間が5年経過した・他の部屋の募集賃料が下がってきた・減価償却期間が終了したなどが挙げられます。
このような状況になったときには、売却を検討し始めてタイミングを図っておくとよいでしょう。
※1 国税庁:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/pdf/2100_01.pdf
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