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【ケース別】アパート一棟買いとマンション区分所有のメリット・デメリット

資産運用の一つの選択肢として、不動産賃貸投資に関心をお持ちの方は、アパート一棟買いとマンション区分所有という物件タイプを聞いたことがあるかもしれません。では、実際に投資するなら、どちらを選ぶべきでしょうか。今回の記事では、それぞれのメリット・デメリットを解説しつつ、どのような人がどの物件タイプに向いているかを検証します。

空室率の低さではマンション区分所有に軍配が上がる

(写真=fizkes/Shutterstock.com)
(写真=fizkes/Shutterstock.com)

賃貸アパート・マンションは、一体どのくらい造られているのでしょうか。国土交通省の住宅着工統計によると、2018年の賃貸住宅着工は39.6万戸と、2009年(32.1万戸)より2割以上増えました。内訳を見ると、木造・鉄骨造アパートが27.1万戸で全体の約7割を占め、残りが鉄筋コンクリート造マンションです。

アパート建築が増加傾向にあるのは、相続税対策が影響しているといわれています。2015年に相続税法が改正され、基礎控除が改正前の6割に引き下げられたことにより、今まで課税を免れていた層にも網がかかるようになりました。そこで注目を浴びたのが、アパート建築です。

更地にアパートを建てると、土地の相続税評価額は8割程度まで圧縮できます。特に、銀行から建築資金の融資を受けた場合は、圧縮の幅がより大きくなり、やり方次第で評価額を半分以下に下げることもできます。

このアパート建築に、土地の相続と相続税に悩む土地オーナーは飛びつきました。貸出難に悩む地方銀行の融資攻勢や歴史的な金利低下も、これを後押しました。つまりアパートは、賃貸需要とは関係なく、供給サイドの事情で増えているわけです。

もともと遊休土地ですから、利便性抜群とはとても言えない物件も多いようです。そうした背景を抱えているので、どうしても空室率が高くなってしまう傾向は否めません。その一方で、賃貸マンションは一人暮らし世帯の増加(特に東京23区内や大阪市内など)により、需要サイドに支えられています。デベロッパーも入居者確保策を入念に検討しているので、空室リスクが低いことがメリットです。

ちなみに不動産評価を行っている株式会社タスのレポートによると、大阪エリアでは木造モルタル系アパートの空室率が25%を超えるのに対し、鉄筋コンクリート系マンションは7%台にとどまっています。

土地を有効活用できる

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

アパート一棟買いのメリットは、土地の有効活用と一部屋当たりの建築費の安さです。もともと土地の仕入れコストがかからない上に、木造ですから建築費も安く済みます。ちなみに、鉄筋コンクリート造マンションでは1平方メートル当たりの工事費が平均26.4万円なのに対し、木造アパートでは3分の2以下の平均16.7万円です。こうしたコスト面でのアドバンテージは、競争力のある家賃設定につながります。

もともと遊ばせていた土地ですから、利便性には難のある物件も少なくないですが、それも考え方次第です。バス便に頼る立地でも、近くに工場がある・学校が近いなどの地域に特化したニーズを拾い、安い家賃で入居者を集めることは可能です。

アパートの空室率が高いといっても、空室が目立つ物件は20年を超えるような築古物件に集中しています。新築物件なら、まだまだ競争力があるはずです。

土地なしでアパート一棟買いは無謀

ただし、これは土地オーナーだからこそ成り立つ投資戦略です。アパート一棟買いを土地から仕込むとなれば、その分の借入金利息もコストに上乗せされます。アパート経営者の大部分が土地オーナーであり、その前提で周辺家賃が設定されているわけですから、家賃競争面ではとても太刀打ちできません。その上、アパート経営者の多くは地域に根を下ろしているケースが多く、行政・学校・地元企業や不動産業者などにもネットワークを張り巡らせています。

土地を持たずに資産運用を始めるなら、マンション区分所有の方が現実的です。入居者を確保しやすく、極力立地条件の良い物件を選ぶことが成功の鍵だといえるでしょう。


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