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大学進学の費用など教育資金の考え方
日本人とアメリカはこんなに違う!

ライフイベントの中でも家計に重くのしかかるのが教育資金です。子どもの大学進学費用をどのように貯めていくか、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。しかし日本以上に大学進学の負担額が重いアメリカのような国もあります。アメリカではその高いハードルをどのように越えているのでしょうか。ここではアメリカと日本の教育資金の考え方などを解説します。

私立大学の費用で比べると、アメリカは日本よりも約3倍負担額が高い

アメリカの私立大学の平均的なコスト(授業料・諸経費など)は年間で約400万円(1米ドル112円換算)です。これに対して、日本の私立大学の平均的なコスト(入学費・施設設備費など)は130万円程度なので約3倍もの差があります。日本人からすると、このような重い費用をアメリカの家庭がどのように準備しているのか不思議です。そこで日本とアメリカの教育資金を準備する方法を比較してみましょう。

日本人の教育資金の考え方:貯金・学資保険で手堅く安定的に

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

はじめに日本の家庭がどのように教育資金を準備しているかを見ていきます。日本は低利率や安定した運用で教育資金を準備していることが大きな特徴です。2019年1月にソニー生命保険が行った「子どもの教育資金に関する調査」によると、大学進学の費用として準備している1ヵ月あたりの平均額は1万7,474円でした。

ただしこれはあくまでも平均額であり3万円以上貯めている人も20.1%いました。また「進学費用をどのような方法で準備しているのか」という問いに対しては、銀行預金が54.3%、学資保険は50.8%と半数以上が銀行預金か学資保険という結果になりました。(※)

※子どもが高校生までの親、予備校・浪人生の親755名が対象

日本で学資保険が人気の理由は以下の3つが挙げられます。
 

  • 払込金以上の返戻率がある
  • 契約時期を早めることで月々の保険料が抑えられる
  • 一番出費のかかる大学入学時に学資金の大半を受け取れる

ちなみにソニー生命保険の学資保険の返戻率は2019年3月時点で約107~108%です。(保険料払い込み期間が10年間の場合)トータルの払い込み保険料約186万円に対し、受取学資金は200万円に設定されています。

アメリカの教育資金の考え方:資産運用×非課税制度で効率的に

(写真=Sharkshock/Shutterstock.com)
(写真=Sharkshock/Shutterstock.com)

次に、アメリカの家庭がどのように大学進学の費用を準備しているのかを見ていきます。アメリカは、資産運用を活用しながら大学進学の費用を準備していることが大きな特徴です。まずアメリカでは大学進学の費用に対する意識が違います。親が中心になって負担するのではなく、以下の3つの方法を組み合わせてまかなうのが一般的です。
 

  • 奨学金
  • 親の負担や借り入れ
  • 子の負担や借り入れなど

これにより親の負担率が軽減されます。平均的な親の負担割合は全体の20%程度です。「大学進学の費用は親が中心になってまかなうのが当たり前」という日本の感覚とは大きく違います。もう一つの日本とアメリカの大きな違いは、資産運用を活用して大学進学の費用をまかなっていることです。アメリカには「529プラン」と呼ばれる、資産運用で高等教育進学の資金を運用する制度があります。

529プランでは、州ごとに投資信託や上場投資信託を組み込んだ運用プランを用意。運用益を授業料など大学の費用に使う場合は非課税です。ちなみに以前の529プランは大学の進学費用にしか使えませんでしたが、小学校から高校に使う場合も年間1万ドルまで非課税となっています。

インフレ目標政策の状況下では、貯金や学資保険は不利

(写真=William Potter/Shutterstock.com)
(写真=William Potter/Shutterstock.com)

子どもの学費を資産運用でまかなう方法は、金融先進国のアメリカらしい考え方といえます。対極的に日本で貯蓄や学資保険が支持されてきた理由は、安全重視の国民性でしょう。政府は物価水準を継続的に上昇させる「インフレ目標政策(インフレターゲット政策)」を推し進めているため、この環境では貯金の低利率や学資保険のわずかな返戻率では実質の価値が目減りしていきかねません。

インフレに対抗するため、アメリカのように教育資金を資産運用で効率的に増やしながら準備するという時代は、そう遠くない未来にやってくるのではないでしょうか。


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