フルローンでも不動産投資をすることができる
投資用不動産は、フルローンを活用して購入することができます。しかし、不動産投資初心者の方は、フルローンで投資用不動産を購入するリスクが気になってなかなか進められないのではないでしょうか。
確かにフルローンで不動産投資するにはリスクがあります。しかし、フルローンで不動産投資をするメリットもあるのです。
本記事では、フルローンで不動産投資するメリットやデメリット、進めるときの注意点などを解説します。記事を最後まで読み進めて頂ければ、フルローンで不動産投資を行うのに必要な知識を得ることができます。
フルローン投資とは
フルローン投資とは、自己資金10万円などの少額を物件購入費用として使い、残りの金額分をローンで投資用不動産を購入することです。
なお、フルローンに似たオーバーローンという言葉があります。しかし、フルローンとオーバーローンは違う意味のため注意ください。
オーバーローンは、最近では投資用不動産購入代金と購入諸費用どちらもローンを活用することを言います。フルローンは、投資用不動産購入代金全額をローンで支払い、購入諸費用は現金で支払うことを指します。
フルローン投資をするメリット
フルローンで不動産投資をする主なメリットは、3つあります。
ここからは、フルローンで不動産投資をするメリットを3つ紹介していきます。
物件代金のほぼすべてをローンで購入できるフルローンを利用すると、少額の自己資金で投資が可能になります
入居者関連費用としては、入居者を増やすためのリフォーム費用や広告費用などに現金を利用することができます。このように自己資金を抑えることにより、競合不動産との差別化を図ることができて空室率を下げることが期待できます。
また、家族が病気になったり事故にあったりしたときの費用など不測の事態に備えることができます。
団体信用生命保険を最大限活かすことができる
団体信用生命保険を利用することになった場合、不動産投資用ローンの残額が多いときほど効果が大きくなります。
団体信用生命保険とは、ローン返済中にローン借入者が死亡したり、高度障害になったりしたときに保険金が残りのローンに充てられローン残高がゼロになる保険です。そのため、ローン残高が多いときほど、団体信用生命保険の効果が大きくなります。
レバレッジ効果が最大になる
フルローンは現金を使わないため、レバレッジ効果が最大になります。
不動産投資におけるレバレッジ効果とは、少ない資金で大きな利益を得ることです。
たとえば、
①1億円の投資用不動産を通常ローンで購入(頭金+諸費用で2,000万円支払い)
②1億円の投資用不動産をフルローンで購入(諸費用500万円)
の2パターンのレバレッジ効果を見てみます。
①1億円 ÷ 2,000万円 = レバレッジ5倍
②1億円 ÷ 500万円 = レバレッジ20倍
という差が出ます。
レバレッジ効果が大きいということは、収益が大きいということです。そのため、高額な資産を保有しやすくなります。
ただし、フルローンで借りると返済額が多くなるため、キャッシュフローが悪化することには注意しながら計算をする必要があります。
フルローン投資をするデメリット
フルローンで不動産投資をする主なデメリットは、3つあります。ここからは、フルローンで不動産投資をするデメリットを3つ紹介していきます。
ローンの審査が厳しくなる
フルローンで進める場合はローン返済額が多くなるため、金融機関のローン審査が厳しくなります。
返済額が多くなればなるほど安定した収入や、購入する投資用不動産の収益性の高さを要求されます。
また、カードローンやカーローンなどを借り入れているとより一層審査が厳しくなるため、フルローンで借り入れをする前には、他の借り入れを全額返済しなければならないケースもあります。
金利上昇リスクが増す
ローン残額が多ければ多いほど、金利が上昇したときの返済金額が増えてしまいます。そのため、頭金を入れて残りをローンで購入した場合と、フルローンで購入した場合とを比較すると、フルローンのリスクの方が大きくなります。
参考のためシミュレーション計算をしてみます。
【シミュレーション計算条件】
1つ目の条件:ローン残高5,000万円、返済期間20年、金利2%
2つ目の条件:ローン残高5,000万円、返済期間20年、金利3%
3つ目の条件:ローン残高3,000万円、返済期間20年、金利2%
4つ目の条件:ローン残高3,000万円、返済期間20年 、金利3%
これら各条件の返済総額は、次のとおりです。
① 約6,070万円
② 約6,655万円
③ 約3,640万円
④ 約4,000万円
それぞれの支払金利総額は、次のとおりです。
① 約 1,080万円
② 約1,650万円 ①と②の差 約576万円
③ 約624万円
④ 約984万円 ③と④の差 約360万円
このシミュレーション計算の結果、ローン残高が多いほど金利上昇による支払金利総額大きくなることが分かります。
月々の返済額が多い
フルローンで投資用不動産を購入すると、頭金を入れて残額をローンで購入するときに比べ月々の返済額が多くなります。
ここでも、シミュレーション計算をしてみます。
【シミュレーション計算条件】
● 購入物件(諸経費込)1億円
● 金利2%
● 返済期間20円
上記条件で借入金額1億と5,000万円の月々返済額を比較します。
① 1億円借り入れする場合、月々返済額約50万円
② 5,000万円借り入れする場合、月々返済額約25万円
このように月々返済額が大きく変わります。
ローンは投資用不動産が空き家になったとしても返済をしなければならないため、不動産収入がなくなっても大丈夫な月々返済額に抑えるようにしましょう。
フルローン審査が通りやすくなる条件
フルローンは自己資金を入れて借りるローンよりも審査が厳しくなりますが、フルローンでも審査を通りやすくする条件があります。
フルローンでも審査が通りやすくなる条件は、次のとおりです。
- 収益性の高い投資用不動産を購入する
- 自己資金が多くある
- 給与など安定した収入がある
- 特定の不動産会社を通す
不動産投資ローンを貸す金融機関は、ローン返済が滞る可能性が低い人に融資をします。
収益性の高い投資用不動産を購入する場合や、自己資金を多く所持している人は、ローン返済が滞る可能性が低いと判断されます。
そのため、このような条件を満たしている場合は、フルローンでも審査が通過しやすくなります。
また、不動産投資が上手くいかなくても、給与があり安定してローンを返済していくことができる人もローン返済が滞る可能性が低い人と判断されます。
その他にも、特定の不動産会社を通じて投資用不動産を購入すると審査が通過しやすくなるケースがあります。何度も同じ金融機関を通してローン契約を締結した不動産会社には、特別な金利を適用したり審査が少し緩くなったりします。
そのため、特定の不動産会社が斡旋してくれた不動産投資ローンを利用することにより、審査が通りやすくなることがあります。
まとめ
投資用不動産は自己資金10万円などの少額で物件購入費用として使い、フルローンで購入することができます。
そして、投資用不動産をフルローンで購入することにはメリットがあるため、現金を多く持っていてもわざわざフルローンで購入する方がいらっしゃるくらいです。
しかし、このような方はフルローンで購入するデメリットやリスクを熟知した上で、投資用不動産を購入しています。
不動産投資初心者がフルローンで投資用不動産を購入する場合は、特にデメリットやリスクを確認してから進めていくことが大切です。
フルローンにはフルローンの良さがあるため、メリットとデメリット・リスクを比較し、自分にあった購入方法を選択していきましょう。
※本記事で紹介しているフルローンの定義、レバレッジ効果、返済額シミュレーション、審査基準に関する記述は一般的な解説に基づくものです。
※金融機関による融資の可否や金利条件は、個人の属性や物件の担保価値によって異なります。また、フルローンでの不動産投資には金利上昇リスクや空室時の返済持ち出しリスクが伴います。実際の資金計画にあたっては金融機関や専門家にご確認の上、ご自身の責任と判断において行ってください。