30代は、従来の人生設計の価値観でいえば成熟期にあたりますが、平均寿命が延びた今、その後60年から70年の人生が残されている年代とも捉えられます。人生が100年あるといわれる時代、どのようなスキルを身につけていけばよいのでしょうか?ヒントとなる考え方をご紹介します。
寿命が延び、人生がマルチサイクル化する
研究レポート「人生100年時代のライフキャリア」(2018年、リクルートワークス研究所)には、平均寿命が延びた私たちの人生やキャリアをどのように設計していくか考えるためのヒントが掲載されています。その中の一つの考え方として、「マルチサイクル」があります。
これまで私たちは1つの職業キャリア(会社で培ったスキル、社会的地位による役割など)を全うする「ワンサイクル」のキャリア観をもとに生きてきました。しかし、20代から40代を人生のピークとして65歳以降を引退後の人生とするサイクルでは、100歳という平均寿命を持つ私たちの人生はあまりに長く、引退してからの人生を持て余すことになりかねません。
このキャリア観をより長寿時代に合わせ、現実的なものとして捉え直すのが「マルチサイクル」です。「マルチサイクル」を経験する人生とは、大きなジョブチェンジのタイミングを数回繰り返し、そのたびに全く別のアイデンティティを形成する程の変化を人生に与えることを指します。いわば、一つの人生の中で、別の人生を何度か経験するような生き方ということです。
人生を変える基軸は3つのライフテーマ
こうした「マルチサイクル」のキャリア形成を実現していくためには、人生を大きく変える契機と変え方を明確に自覚する必要があります。とはいえ、自分の人生を切り替えることはなかなか容易ではありません。
人生を変化させるヒントとなるのは、「社会視点」「個人視点」「生活視点」という3つのライフテーマです。「社会視点」は社会貢献の領域や社会からのフィードバックに対する視座を、「個人視点」は自分の能力のフィット感や志向とのマッチングを指しています。そして「生活視点」は、自分の生活やコミュニティで何を重要視するかを表します。
例えば、私たちはいわゆる仕事のキャリアパスについて考えるとき、主に「個人視点」と「社会視点」を持っています。自身の能力や志向と合っているか、あるいは社会貢献度が高いかどうかが、職種の選択に関わることでしょう。もし、その人生にさらに大きな転換期を作るのならば、「生活視点」から考えて次のキャリアを構築することが望ましいといえます。具体的には、大切にしたいコミュニティ(家族など)を優先した時間の使い方や人生観を獲得する、ということです。
重要な観点は人生を編集し続けること
「マルチサイクル」にしても「3つのライフテーマ」にしても、人生をどのように捉えるかという課題に対して、取り組みやすくする切り口です。100年の人生を豊かに過ごすためには、こうした考え方をうまく取り入れながら、自分の人生を自分自身で再編集していく意識が重要です。
そのためにまず、自分の過去を肯定すること。次いで、その過去から3年後までの展望を描くことです。ここで重要なのは、この展望はあくまで希望的観測であって、予想外の出来事も受け入れる余地が必要だという点です。予想外の出来事が起こった場合には、そのゆらぎが小さくなるよう自分が描いている展望との調整を行い、再度キャリアパスを微調整する必要があります。この繰り返しが人生の再編集につながっていくのです。
何か一つの目標(別の職業を選びたい、何らかの役割を担いたい)だけを目指して綿密な計画を立てる生き方は、長寿の人生には不向きだと「人生100年時代のライフキャリア」では述べられています。自分を主人公に見立てたストーリーをリアルタイムで描きなおしていくような柔軟性が、余生への対応力を培っていくでしょう。
100年時代のキャリアに必要な意識
このように、100年時代を生きるために必要な意識は従来のキャリアパスの考え方とは根本的に違ったものです。その変化は、一人の人生において習得できるスキルや経験の拡張を示唆しています。自己投資をしていくことで人生の可能性を広げるものでもあります。今回ご紹介した100年時代を生きるための考え方をヒントに自分の人生を改めてデザインし、可能性にフォーカスした生き方を真剣に考えてみてください。
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