
今後の経済衰退への危機感が高まっている日本。しかし、「スーパー・メガリージョン構想」というキーワードに注目すれば、突破口が見えてくる。そう語るのは、関西圏の政治・経済の裏と表を知り尽くした元大阪市長、橋下徹氏。
※本記事は2019年6月9日に開催された「名古屋 日本経済の未来と不動産投資」イベントの橋下徹氏の講演のダイジェスト版です。
日本の人口は減っているが、三大都市圏では増えている
現在の日本は出生率が下がり、年間約40万人も減っていく時代になっています。40万人と言うと、結構な規模の都市が1つなくなるのと同じです。それだけ日本の人口は急減しているということです。
ところが、日本にも人口が増えているエリアがあります。どこかといえば、東京・名古屋・大阪の三大都市圏です。その中でも特に関東への流入人口が多いんですね。一方、関西圏の人口は減っていますが、「スーパー・メガリージョン(東京・名古屋・大阪)」の枠内で見ると人口は増えていっています。
ただ、現政権はこの流れを止めようとしています。とくに東京は狙い撃ちされていますよ。今回の安倍政権の政策の1つとして、地方に戻った人には70万円からの補助金を出しますよ、というのをやっています。強制的に地方に移住させようとして補助金を出す。企業にも出しています。
大きな方向性としてそれが間違っているとは言いません。しかし、若い人たちに無理やり地方の大学に行けとか、地方の会社に就職しろというのは違うなと僕は思っています。若い人たちが地方の農林水産業をやりたいというのなら、僕自身は大歓迎。支えていきたい気持ちもあります。でも無理やり行け、というのは違うと思う。
最近は、ICT (編注:Information and Communication Technology[情報通信技術])が発達してきているので、東京に集まる必要なんてありません。べつに東京にいなくてもパソコンで仕事ができるわけです。ただやはり、「情報・人・物・お金」が集まるのは東京で、そういう自然の流れを政治が歪めるということは違うと思います。
リニア中央新幹線の開業=日本にスーパーメガリージョン誕生
さて、スーパーメガリージョンについてです。今、世界中で複数の大都市圏を中心にした巨大なエリアが誕生しています。
たとえば中国では、香港・マカオ・深?(しんせん)・広州を習近平国家主席が1つの経済圏にまとめました。人口約6,000万人です。中国が北京市の中関村(ちゅうかんそん)に中国版シリコンバレーを作りたいと言っていたのが2001年ぐらいでした。ところが本当に、今、シリコンバレーみたいな先進都市になっています。域内人口は3,000万くらいだそうです。
これに対して、大阪が880万人、名古屋市200万超……。それくらいの規模の都市がばらばらで勝負してもしょうがないですよね。これは1つにまとめる方向で行くしかない。
それが、リニア中央新幹線のおかげで、東京・名古屋・大阪が一体化し、スーパーメガリージョンが誕生する可能性が出てきました。開業すれば、東京―名古屋間が約40分で行き来できるようになります。
当初はリニアが名古屋まで来るのが2027年、大阪までが2045年の予定でした。その後、2038年ぐらいの予定に早まりました。個人的にはそれよりもっと早くと思いますが……。いずれにせよ、リニアが実現すれば東京・名古屋・大阪が1つにまとまっていく方向にはなるでしょう。
この流れにおいては民間の動きも重要ですが、政治的にも1つにまとまっていかなければならない。東京・名古屋・大阪を1つにまとめられるような政治勢力の形成、そして、世界と勝負できる「スーパー・メガリージョン構想」がこれからの日本には必要だと思います。
※本記事は2019年6月9日に開催された「名古屋 日本経済の未来と不動産投資」イベントのダイジェスト版です。
>> 続きを読む
└橋下徹氏「名古屋と大阪は都市としてのポテンシャルが高い」
スーパー・メガリージョン構想(後篇)
└ FP黒松雄平氏「今、日本では凄い勢いでインフレが進んでいる」
超インフレ時代を不動産投資て?勝ち抜く(前篇)
└FP黒松雄平氏「もう年金はあてにできない。長期的なインフレの中で目減りする年金」
超インフレ時代を不動産投資で生き抜く(中篇)
└FP黒松雄平氏「不動産はインフレ対応型の保険のようなもの」
超インフレ時代を不動産投資で勝ち抜く(後篇)
人気の記事ランキング
キーワードから記事を探す
注目の不動産投資セミナー
大阪・京都・神戸

大阪・京都・神戸の物件を希望の日程で見学できる物件見学会を開催中!
- 日程
- 適時開催
- 会場
- 見学対象の区分中古マンション
名古屋

名古屋の物件を希望の日程で見学できる物件見学会を開催中!
- 日程
- 適時開催
- 会場
- 見学対象の区分中古マンション