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[マンション設備 最前線4]意外なアイテムが住み心地を左右する
防音サッシの実力

マンションを購入してから「こんなはずじゃなかった」と嘆くケースもあります。その代表が騒音でしょう。便利な立地にある限り、音そのものをなくすことはできません。そこで、音をできる限り軽減する性能が必要となります。この音の軽減に役立つのが防音サッシ。どれくらいの遮音効果があるかを確認しましょう。

騒音はココロとカラダにどんな影響を及ぼす?

騒音は心身に大きな影響を与えるようです。東京都福祉保健局の『騒音振動の健康影響調査』によれば、騒音量が多くなるほど、精神的なストレス症状や身体的な自覚症状などが強くなるという結果が出ています。

具体的な精神的なストレス症状としては『ゆううつになる』『いらいらする』というものがあり、関連するように『夜中に目がさめる』『眠りが浅い』という睡眠に関する状況を訴える方もいました。そして、これらは騒音レベルと反応関係がみられました。また、身体症状としては『めまいがする』『貧血』などがあり、騒音はこれらの自覚症状を有する率を高めている可能性があることが示唆されています。

このように住まいの騒音は、カラダとココロに大きな影響を与える可能性があるのです。

騒音はいくつもの経路でマンション室内に侵入する

(写真=New Africa/Shutterstock.com)
(写真=New Africa/Shutterstock.com)

前項の内容にもとづくと、マンションを購入する場合は遮音性能を相当意識する必要がありそうです。最近の新築マンションは駅近物件が多いので、どうしても周囲が賑やかになります。加えて、集合住宅は一定の区画に多くの人が住んでいるので生活音を感じやすくなります。

こういった音はいくつもの侵入経路から入ってきます。たとえば、空気を通してサッシ・ドア・屋根・壁のすき間などから伝わる場合もあれば、壁や床を通して音が響いてくることもあります。いくら建物構造の遮音性能を高めても、これらの音をシャットアウトすることは不可能。防音マットやカーテンなどのアイテムをうまく使って音を緩和・軽減する工夫も必要です。

騒音を緩和するのに効果のある防音サッシ

前項で、音の侵入経路はいくつもあるとお話しましたが、屋外と接していて壁よりも薄い窓は重要です。最近では、さまざまな仕組みで遮音性を高めるサッシが登場していますが、その中のひとつが気密性を高めたサッシです。音はサッシの隙間から入ってくるため、この部分をなくすことで遮音性が高まります。さらに二重窓にして空気層をつくることで遮音性を高めるサッシも出ています。

サッシの遮音性に関しては次のようにJIS規定で等級が決められています。

  • 遮音性能等級T-1 25dB遮音
  • 遮音性能等級T-2 30dB遮音
  • 遮音性能等級T-3 35dB遮音
  • 遮音性能等級T-4 40dB遮音

たとえば、T-1等級のサッシの場合「外部の音を25dB遮音できる」ということになります。ちなみにさまざまな音を騒音レベル(dB)で表すと、下記のようになります。

  • 自動車のクラクション 110dB
  • 電車が通る時のガード下やピアノの音 100dB
  • ボーリング場や電車内 90dB
  • 幹線道路の交差点 80dB
  • 一般道路 70dB
  • 通常の会話 60dB
  • 静かな室内 50dB
  • 静かな公園 40dB
  • 深夜の郊外 30dB

冒頭で触れた東京都福祉保健局の調査では、70dBを『非常に迷惑』と感じる人は約3割、『非常にうるさい』と感じる人が約4割いるという結果が出ています。これに対して、45dB以下であれば、『非常にうるさい』『非常に迷惑』と感じる割合はゼロに近いようです。

音の感じ方は人それぞれですが、この結果をもとにすれば室内で45dB以下になるのが理想だといえるでしょう。となると一般道路の70 dBでも40 dBにしてくれる遮音性能等級T-2以上の防音サッシのマンションを選ぶのが理想といえます。

駅前など立地のよいマンションほど遮音性能が大切

(写真=Aaron Amat/Shutterstock.com)
(写真=Aaron Amat/Shutterstock.com)

マンションを買うとき、遮音性能を確かめるのは難しいものです。内見時に静かだと感じても時間帯や曜日が変われば、騒音を感じる部屋になるかもしれません。そのため、遮音に考慮した構造か、サッシの遮音等級はどれくらいかなどを確認しておくのが賢明です。


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