
経済や政治的な成果にフォーカスされることの多かった20ヵ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)。経済やPR面でも成果を上げました。その内容を整理してみました。
G20大阪サミットの政治的な成果-世界初!海洋プラスチックゴミ削減の数値目標

はじめに政治的な成果をざっと振り返ってみましょう。2019年6月28日から2日間にわたり大阪で開催されていたG20大阪サミットは、29日午後に安倍首相による大阪宣言で幕を閉じました。その内容をひもとくと……焦点となっていた貿易問題では「自由貿易の基本的原則の確認」ができたと述べつつ、暗に輸入に高関税をかけるアメリカと、不公平な貿易が指摘される中国を意識した文言になっています。
また、プラスチックゴミの2050年ゼロ宣言では「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が盛り込まれ、世界で初めて海洋プラスチックゴミの削減目標を数値化しました。その他にもデータの有効活用や環境問題、教育、イラン問題などについて触れ、今回のサミットの成果が述べられました。
G20大阪サミットの経済効果-関西圏を中心に数百億円の成果
今回の大阪サミットにおける関西圏への経済効果はどのようなものだったのでしょうか。シンクタンクの「アジア太平洋研究所」は、今回のサミットが関西圏(2府4県)にもたらした経済波及効果を365億円と試算。内訳としてスタッフ、メディア、警備関係職員などのホテル代・滞在費・食費が主な部分を占めています。
その他にサミットに貸し出す電子機器のレンタル費用も効果を押し上げていると試算。「りそな総合研究所」は、G7伊勢志摩サミット時の経済効果をもとに試算し、国内では合計で500億円の経済波及効果になるという話です。内訳は関西圏内で300億円、残り200億円はその他の都市での波及効果と見ています。
「世界的なイベントにふさわしい都市」のイメージ醸成にもプラス
今回の大阪サミットではプラスだけではなく、マイナスの影響もあったという分析もあります。会場周辺は都心部に近く、交通規制などによる企業活動への影響は大きいことが予測されます。ちなみに前項で紹介した2つの試算にはその影響分を加味していません。さらに期間中にサミット会場周辺は一般の交通機関だけではありません。
大阪港やその他のふ頭も稼働停止になっていて、サミット自体はプラスでも全体を見るとそれほど大きな効果はなかったという見方もあるようです。とはいえ、大阪では今後、大阪万博の開催やIR(カジノを含む統合リゾート)計画を控えていることを考えると、大阪がサミットの会場になったことは、「世界的なイベントにふさわしい都市」のイメージ醸成にプラスに働くことが考えられます。
サミットのPR効果-主要メディアのプレスが大阪カルチャーを体感

大阪サミットでは、「経済波及効果以上にPR効果が大きかった」という見方もできます。今回のサミットには世界各国から約3万人の関係者やプレスが来阪しました。プレスが集結するプレス会場には今回、大阪を宣伝するPRブースが設けられていて、来訪者はそこで、政治だけでなく大阪の食・文化・歴史などを堪能できるようになっています。
今後、大勢のプレスがこのブースで知った大阪の魅力を各国で発信してくれる可能性もあります。また開催期間中は安全管理の徹底の結果、大きな事件は起きませんでした。この件で大阪は、安全性の高い都市のイメージを醸成できたともいえるでしょう。世界が注目する一大イベントでこのようなPRができたことは、大阪のさらなるインバウンド市場の拡大や、万博成功の一助になるのではないでしょうか。G20大阪サミットは大阪に大いなる遺産といえるでしょう。
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