大阪万博やIR誘致などさまざまなイベントが後押しして、とどまるところを知らない大阪のインバウンドマーケット。その詳しい内容を信頼できる豊富なデータをもとに解説します。
2018~2019年にかけて2ケタで伸び続ける国内インバウンドマーケット
JTB総合研究所が発表した「観光統計2019特別版~2019年の旅行予測~」によると、2018年の旅行者数前年比は日本人の海外旅行者数1.1%、国内旅行者数1.5%と増加傾向でした。ゆるやかではあるものの、堅調に推移している印象です。一方で、訪日外国人数は2018年が3,160万人と前年比10.1%増、2019年が3,550万人と前年比12.3%になるなど、2ケタ増加で拡大し続けています。
「そろそろ限界なのでは?」と感じる人もいるかもしれませんが、好調なインバウンドマーケットはまだまだ伸びると予想されています。その理由は、世界的に注目されるビッグイベントが控えていることです。ここから先、2019年は「ラグビーワールドカップ2019TM日本大会」さらには「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」が続きます。
5年間で約3倍になった大阪の訪日外国人数
日本全体の訪日外国人数が増加していることは分かりましたが、大阪に焦点を絞るとどうなるでしょうか?日本政府観光局(JNTO)および官公庁資料から大阪府が独自に推計した資料によると、大阪を訪れた訪日外国人数は、下記のように5年連続増加中です。
・2014年:376万人
・2015年:716万人
・2016年:940万人
・2017年:1,110万人
・2018年:1,142万人
しかし、大阪への訪日外国人数の伸び率を対前年比で見ると、2014年が143%、2015年が191%と一気に伸びた後、2016年が131%、2017年118%が、2018年が103%と2015年をピークに右肩下がりです。このデータから「大阪のピークは過ぎたの?」と感じる人もいるかもしれませんが、そうではありません。
「2025大阪・関西万博」開催を控えていることを考えると、オリンピックが過ぎた後は大阪に人が集まることが予想されます。また、日本全体の訪日外国人の約3分の1が大阪に来ていることを考えると、大阪の影響力は大きいといえるでしょう。
5年間で約8倍になった訪日外国人の大阪での消費額
依然として好調な大阪のインバウンドですが、大阪経済にはどんな影響を与えているのでしょうか? 2017年に三菱総合研究所が鉄道各社などと共同で行った関西国際空港でのアンケートによると、訪日外国人の日本滞在日数は、東アジアの訪日外国人が約1週間以内、欧米・豪州は9~13日程度でした。両者とも大阪には約4~5日滞在しているという結果が出ています。
大阪の滞在期間が長い理由は、エリア内に人気スポットが多いためです。人気スポットの割合の内訳は梅田・大阪駅周辺(22.9%)、心斎橋(29.2%)、難波(29.2%)が高く、次いで日本橋(17.5%)、大阪城(18.4%)、USJ(12.2%)なども多い傾向です。(2016年度)しかも梅田・大阪駅周辺、心斎橋、難波に来た訪日外国人は半分近くが再訪問を希望しています。
訪日外国人はどのくらい大阪で消費しているのでしょうか?大阪観光局統計情報などから大阪府が試算した消費額の推移によると、以下の通りです。
年度 | 訪日外国人における大阪での消費額 |
---|---|
2013年 | 1,598億円 |
2014年 | 2,670億円 |
2015年 | 5,781億円 |
2016年 | 8,633億円 |
2017年 | 1兆1,852億円 |
上記のように5年間で大阪を訪れる訪日外国人の消費額は約7.4倍です。大阪インバウンドマーケットの状況を考えると、2018年・2019年も訪日外国人が大阪で消費するお金は堅調に増えることが見込まれます。
大阪は最高の状態で2019年、2020年を迎えている
大阪のインバウンドマーケットは、好調をキープしたままラグビーワールドカップ、東京五輪・パラリンピックを開催する時期に突入します。あわせて、その後には2025年大阪万博やIR(カジノを含む統合リゾート:候補地)も控え、状況は追い風です。これらは、新しい訪日外国人を呼び込むきっかけになるほか再訪問のきっかけにもなります。
大阪はこの追い風をうまく利用すれば、日本、アジアで存在感を発揮する都市になることも十分期待できるでしょう。
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