大阪万博の会場は「夢洲」(ゆめしま)。このような報道に触れても「ユメシマって、どこにあるの?」という方も多いのではないでしょうか。夢洲は、大阪郊外の人工島です。2019年6月現在は、乗降駅さえない場所ですが、これから数年で巨額の投資マネーが集まり近未来都市が出現する見通しです。今回は、夢洲の歴史、今後の開発状況、ランドマークなどについて解説します。
ブレイクポイントを逃し続けた夢洲の不運な歴史
夢洲とは、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンがあることで有名な此花区(このはなく)の埋め立て地です。広さは約390ヘクタールで、そのうち約170ヘクタールが万博・IR の開発対象となっています。埋め立て地と聞くと地盤沈下などが気になるかもしれません。しかし、粘性の土砂などで埋め立てられているため液状化しにくく、南海トラフ巨大地震を想定した地盤高となっているのです。
関西のみならず、日本の注目スポットとなりつつある夢洲ですが、もともとは1970年からゴミ処理場として焼却物や建設残土などで埋め立てられた場所でした。その後、北側の舞洲、南側の咲州を含めて1980年代に「テクノポート大阪計画」という人工島の有効活用が検討されましたが、バブル崩壊の影響で幻となります。
さらに、2008年のオリンピック開催地として大阪が立候補した際、夢洲を選手村にする計画がありました。しかし、招致に失敗したので「負の遺産」として使い道がなくなり、2025年の大阪万博という3回目のチャンスでやっと関西経済の希望となったのです。
JR西日本、大阪メトロ、大手デベロッパーなどの投資が続々と
夢洲は、開発がストップして放置されていたため、万博開発がはじまる前は東側エリアの一部をコンテナターミナル、西側エリアの一部をメガソーラー(大規模太陽光発電所)として活用されるにとどまっていたのです。また、中央エリアで目立つのは主に物流関係者が利用するコンビニ1店舗くらいでした。それが、大阪万博の開催決定で一転、開発が一気に本格化しはじめています。
交通網の整備では、JR西日本のJR桜島線の延伸、大阪メトロの中央線の延伸などが進む予定です。他に、近鉄グループホールディングスなども交通網の整備に乗り出しています。夢洲の投資に積極的なのは、交通網に関連する企業だけではありません。大手デベロッパー各社も、近隣の咲洲で開発に乗り出しています。今後、夢洲を中心とする「ニシ」エリアが関西経済圏で影響力を持つエリアになる可能性は高いでしょう。
夢洲のランドマークの一つ!55階建てのタワービル
大阪の重要な交通網である地下鉄やバスなどを運用する大阪メトロは、夢洲の象徴となるタワービルの建設を予定しています。新駅と一体となったタワービルの高さは約250メートルです。(地下1階・地上55階)タワービルには、商業施設やエンターテイメント関連の施設だけでなくオフィスやホテルなども入る予定となっています。
また、最上階には展望台を設置するほか、夢洲までの地下トンネルにはLEDライトを組み込むことが予定されており、2024年度中の開業を目指しています。
夢洲の大開発は大阪市中心部にもプラスの影響
夢洲が万博開催地に決まったことで盛りあがるのは「ニシ」エリアだけではありません。インフラ整備やビル建設などによって雇用の創出が期待できることも考慮すると、大阪市中心部の経済や不動産市場にも大きなプラスの影響を与えるはずです。現在の大阪市は、「キタ(梅田地区)」と「ミナミ(心斎橋・難波地区)」の2トップが引っ張る形ですが、今後「ニシ」が台頭してくれば3本柱となり、さらに強い経済基盤となります。
ゴミ処理場からスタートして一度は「負の遺産」として扱われていた夢洲ですが、2025年万博の開催地決定を受けて、ようやく再出発の一歩を踏み出したといえるでしょう。次の段階では、大阪IRが実現するかに話題が集まります。もし、決まれば長期的に見ても安定性・成長性のある強い関西経済圏が創出されそうです。
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