アート思考をビジネスに取り入れることで、創造的な思考力が養われ、イノベーションが生まれやすくなるといいます。そのためか、近年ではアートに関連するビジネスがにわかに脚光を浴びています。デジタル時代ならではの、新たなアートビジネスとはどんなものでしょうか。
海外の「デジタル×アート」なビジネス
熱気を増しているという東南アジアのアート市場を受けて、2013年に誕生したのが、アート作品に特化したECサイト「The Artling」です。シンガポール国内のギャラリーの作品を販売し、多くのファンや投資家にアートを届けることを目的としています。
また、ブロックチェーンでつながるアートのプラットフォームも注目を集めました。
ブロックチェーン技術を活用し、アート作品と投資家を結ぶプラットフォームとして誕生した「Maecenas(マエケナス)」は、従来型のアート投資の形では日の目を見るのが難しかった作品を投資家に届けることができるサービスです。
これまで富裕層は、アートを購入する際、展示会やオークションを利用する方法が一般的でした。しかしこれでは埋もれてしまう作品も多く、アーティストにとっても投資家にとってもデメリットが大きい方法であったといえます。
Maecenasは、ブロックチェーン技術ならではの安全性や透明性を取り入れることで、これまで限られた場所で公開され、限られた人しか購入できなかったアート作品をオープンにし、誰でも購入できるようにしています。
このプラットフォームは、手数料を支払うだけで簡単に参加できます。投資家と作品の所有者は、購入額・販売額の数%を支払うだけでアートを売買できるのです。取り引きの透明性も高く、投資家・所有者・アーティスト、それぞれにメリットのあるシステムといえるでしょう。
日本で生まれたサービス
日本では、株式会社The Chain Museumが、アーティスト支援アプリ「ArtSticker(アートスティッカー)」を2019年2月にリリースしています。「アートにはお金が必要だ」として、アプリを使って、アーティストに直接支援を送ることができる仕組みを作りました。アプリを通して支援を行うと、そのあかしとして作品の下に支援者の名前がクレジットされることもあります。
掲載されている作品にレビューを書いたり、アート作品をコレクションしたりと、新しいアートの楽しみ方ができるのもこのアプリの特徴です。
さらに注目したいのが、スタートバーン株式会社が開発した、アートブロックチェーンネットワークです。ブロックチェーンのスマートコントラクト技術を活用し、アートの流通、販売管理、レンタル、二次流通管理、真贋鑑定の履歴、美術品への保険付与など、さまざまなサービスを展開していく予定です。
実際に、このブロックチェーン技術を用いて、アートに関連する事業を行う企業と連携し、新しいサービスを共同開発しています。例えば、アーティストとコレクターをつなぐプラットフォーム、サービス内で流通している作品の証明書を発行するシステムなども開発されました。
アーティストと作品の保護をデジタル技術で
いずれのサービスも、ビジネスとして利益を得るというよりも、アーティストと作品を保護する一面を持っています。単に利益に走るのではなく、業界全体を守り、健全に発展するような工夫がなされているのです。
一部の富裕層が名作を寡占するのではなく、広くさまざまな人に触れられることで、アートはさらに進化を続けていくことでしょう。今後も生まれ続けていく名作を守るためにも、デジタル技術を用いたアート関連ビジネスはこれからも発展していくと予想されます。
気軽にアートに触れて創造力を高めよう
今回紹介したデジタル技術は、アーティストだけでなく、投資家やファンにとってもメリットの大きいものです。スマホやパソコンの新たなサービスを通じて、手軽に数多くのアート作品に触れることで、日々創造力を高めて、ビジネスにフィードバックしてはいかがでしょうか。
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