
資産形成の代名詞である不動産投資の中にも、ごくわずかな人だけが取り組んでいる“ニッチな分野”が存在しています。それはまるで、一般的なビジネスにおけるニッチ分野と同じように、王道からあえて外れることにより、競合他社との差別化を図る試みと同じです。つまり、直接的な勝負を避け、間接的に戦う姿勢をとるのがニッチビジネスというわけです。
とくに、不動産投資におけるニッチ分野とは、「マンションやアパートなどの集合住宅を購入し、賃貸に出すことによって安定的な収益を得る」という、不動産投資の王道から外れたものを指します。優良物件の数が少なくなる中、そのような不動産投資におけるニッチ分野に手を出す人も少なくありません。しかしそこには、思わぬ落とし穴が隠されています。
ニッチな不動産投資案件
では、具体的に、どのようなニッチの不動産投資案件があるのでしょうか。たとえば、都心のマンションやアパートに投資するのではなく、あえて地方の一軒家に投資するケースです。事実、地方で一軒家を購入し、リノベーションを行ったうえで賃貸に出しているオーナーもいます。そうすることで、これまでにはなかった需要を掘り起こしているのです。
あるいは、市街化調整区域の土地を購入し、適切な形で活用している投資家もいます。本来、市街化調整区域というのは、住宅を建てられない地域です。そのため、一般的な不動産投資家は避ける傾向にあります。しかし、そうした土地をあえて購入し、月極駐車場や資材置き場などとして貸し出すことで、ニッチなビジネスを展開している人もいます。
珍しい不動産投資案件の危険性について
このような珍しい不動産投資案件に手を出すことは、これまでには注目されてこなかった需要を掘り起こすという意味では効果的です。ただ、そのすべてがうまくいくわけではありません。また不動産投資本来のスキームが活用できないことも多く、想定外のトラブルが発生するケースも少なくありません。たとえば、次のようなリスクが挙げられるでしょう。
法律上の規制
不動産投資に関わらず、あらゆるビジネスにおいて怖れるべきなのは「法律上の規制」です。たとえば、かつて日本でも大々的に普及すると言われていた民泊も、法律上の規制(民泊新法)を受けて、現在では伸び悩んでいます。また、法律にともなう整備が必要となり、思わぬ出費が必要となった物件もたくさんあります。ニッチな分野が伸びた結果、法整備がなされるという事例は枚挙にいとまがありません。
ブームの終了
また、盛り上がっていたブームが終了し、収益性が厳しくなってしまうこともあります。たとえば、地方の空いている土地にアパートを建てるというスキームは、これまでごく自然に行われてきました。しかし、思ったように入居者が獲得できず、サブリース契約も改定されるケースが相次ぎ、金融機関も出資に後ろ向きとなりました。そうなると、想定していたような収益性を維持することはできないでしょう。
競合他社の出現
レンタルスペースやコインランドリーなど、ニッチな不動産投資案件で安定的な収益を実現している投資家もいます。しかし現状、競合他社がたくさん参入しており、ビジネスとしても厳しくなっているのが実情です。よくあるのは、ニッチ分野における成功を目の当たりにした大手企業が、巨大資本を背景に参入してくるケースです。そうなると、これまでの状況は大きく変わってしまいます。
いつの時代も“王道”が強い
このように、ニッチな不動産投資案件には、さまざまなリスクが潜んでいます。もちろん、他人と同じ方法を採るのではなく、自分ならではの事業を行おうとするのは悪いことではありません。むしろ、それによって高収益を実現できることもあります。ただ、その背後にあるリスクを無視したまま挑戦すると、非常に危険です。やはり、王道である不動産投資手法をふまえたうえで、良い物件を選ぶのが基本と言えるでしょう。
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