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不動産投資人気の理由の一つ超低金利はどこまで続く?
金利上昇リスクは?

不動産投資はひと昔前まで一部の富裕層や高所得者だけができるビジネスでした。しかし最近は超低金利の環境のためビジネスパーソンの副業としても利用されています。気になるのは、この低金利がいつまで続くかです。本記事では、不動産投資リスクの一つ「金利上昇の可能性はないか」について解説します。

不動産投資は低金利になるほど手のこりが増える

(写真=kenary820/Shutterstock.com)
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2019年9月時点、日本では異次元緩和によって低金利が続いています。民間の金融機関における住宅ローンの金利も1%以下が目立つ傾向です。低金利は住宅ローンに限った話ではなく、さまざまなローンに波及しているため、新規ビジネスの立ち上げ時の融資でも有利な状況といえます。その中の一つの選択が、不動産投資です。不動産投資で得られる収入では、家賃収入から費用を差し引きます。

費用には当然ローンの返済費用も含まれるため、低金利になるほど手残り(最終的な収入)が増加し有利です。

ピーク時金利との比較!2,000万円借りて約1,600万円の差

(写真=gemphoto/Shutterstock.com)
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「イールドギャップ」の観点からも低金利が不動産投資に有利といえます。イールドギャップとは、投資物件の利回りから借入金利を差し引いた値のことです。物件の利回りが同じでも、借入金利が低いとそれだけイールドギャップを確保できます。そのため、現在の超低金利は結果的に投資効率を高めることになり不動産投資に有利といえるのです。

銀行の変動金利型(基準金利)の推移を見ると、1990・1991年には最高で8.5%まで上昇しましたが、2018年12月には2.475%で推移しています。例えば、2,000万円を元利均等返済・金利8.5%・返済期間20年でローンを契約すると、返済総額は約4,166万円です。一方、同条件で金利だけを2.475%に変更すると、返済総額は約2,538万円です。

約1,600万円も支出を抑えられることを考慮すると、いかに低金利が不動産投資にとって有利に働くかがよく分かるでしょう。

少なくとも2020年春までは低金利維持を確約

低金利の背景には日本銀行の低金利政策が関係しています。日本銀行の低金利政策では、低金利で融資を実施することによって企業向け・個人向け融資の活性化させることが目的です。金利は直接的に下がっているわけではなく、「フォワードガイダンス」で間接的に下がっています。フォワードガイダンスとは、中央銀行における将来の金融政策の指針です。

これを前もって示すことで、市場に関わる人たちの信頼や期待を高められると考えられます。また金融緩和策を長期にわたって続けることを約束することで、市場金利を引き下げる効果もあるのです。日銀の黒田総裁は2019年4月の公式会見で現在の低金利(長短金利)の継続時期を「少なくとも2020年春頃まで」と明確化しました。

あわせて消費税増税や世界経済の不安定を理由に「かなり長い期間になるということを明示した」と語っているため、2020年春以降になってもすぐに金利上昇に転じる可能性は低いといえます。

低金利がいつまでも続くわけではない

しかし「低金利がいつまでも続く」とは考えないほうがよさそうです。低金利は個人や企業が融資を受けやすくなる状況を作り出すため、経済全般にとってはプラスに働きます。しかし金融機関にとってはマイナスです。いくら低金利の融資が増えても金融機関にとっては低採算のため、収益としては圧迫してしまう内容になります。

全国地方銀行協会が公表した会員64行の2018年度決算では、当期純利益が前期比20.6%減と大きく前年割れでした。日本銀行の試算では、企業の資金需要が低下を続けた場合、2023年の最終赤字が地銀の約2割、2028年には約6割が最終赤字になるという結果になっています。経営状況が悪化すれば金利を上げて採算性を向上させて経営状況を安定させることが必要です。

そのため低金利がどこまでも続くと考えないほうがベターといえます。一方、人口減少社会の日本は金利を急上昇させると経済が失速する可能性があります。その意味で政府は長期的にある程度の低金利を維持したいはずです。不動産投資のリスクには「金利上昇」がありますが、通常の経済状態であれば限定的と見るのが現実的でしょう。
 


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