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急増する賃貸住宅と増え続ける空き家
空室を回避するために持つべき視点とは?

人口減少が続く日本で、一時より落ち着いたとはいえ、新設住宅着工戸数は相変わらず高い水準にあります。住宅の供給圧力は、空室ひいては空き家の増加に拍車をかけているとされ、三大都市圏ですら木造モルタル系アパートの空室率は4分の1を超えています。



ただし、エリアや物件タイプを吟味すれば、優良な入居者を確保できることも事実です。賃貸不動産投資において、空き家・空室のリスクを回避するポイントについてご紹介します。

増え続けている住宅ストック

(写真=Joseph Sohm/Shutterstock.com)
(写真=Joseph Sohm/Shutterstock.com)

1988年に約4,200万戸だった住宅ストックは、2013年(直近データ)には6,062万戸(+1,862万戸)にまで増加しました。一方で、世帯数もこの間に3,781万世帯から5,245万世帯(+1,464万世帯)にまで増加しています。

ただし、住宅ストック増の方が世帯数増を確実に上回っており、その結果として起こっているのが「空き家問題」です。同期間に空き家数は394万戸から819万戸へ、空き家率は8.6%から13.5%へ上昇、今や7軒に1軒が空き家になっている状況です。

住宅ストックがオーバーフロー気味なのにもかかわらず、相変わらず供給が続いています。供給戸数は、2009年の78万戸から2017年には94万戸まで増加しました。持ち家住宅は28万戸でほぼ横ばいですが、賃貸住宅は32万戸から41万戸と、増加が際立っています。

賃貸住宅の増加の一因は、相続税対策だとされています。2015年施行の税制改正で、基礎控除額(非課税限度額)が改正前の6割に見直されたためだといわれています。例えば、相続人が子ども2人のケースでは、改正前の基礎控除額が5,000万円+1,000万円×2人=7,000万円だったのが、改正後は3,000万円+600万円×2人=4,200万円まで引き下げられたのです。

そこで、相続税対策として注目を浴びたのが、賃貸アパートの建築です。遊休土地や青空駐車場などにアパートを建築すれば、評価額は2割程度下がります。200平方メートル以下の敷地なら、50%評価減の適用を受けることもできます。さらに、アパート建築費用に融資を充当すれば、評価額はさらに引き下げが可能です。

そのような中で、ハウスメーカーもこぞってアパート建築に力を入れ、貸出先難に苦しむ地方銀行がこれを後押しし、「アパート建築ブーム」に火がついたのです。その結果、三大都市圏でも郊外ではすでにアパート供給過剰の兆候が表れ、エリアによっては入居率が半分程度というアパートも珍しくありません。大都市においても厳しい状況で、不動産の評価を行っている株式会社タスのレポートによると、近畿都市圏(大阪府・京都府・兵庫県)の木造・軽量鉄骨系アパートの空室率はいずれも25%を超えています。

入居者を確保しやすい大都市圏の鉄筋コンクリート造マンション

(写真=PlusONE/Shutterstock.com)
(写真=PlusONE/Shutterstock.com)

ただし、賃貸住宅の全てが低調というわけではありません。大都市圏の鉄筋コンクリート造マンションはまだまだ入居者を確保しやすい状況で、空室率も大阪府で7%台の水準を維持しています。その背景にあるのは、単身世帯による賃貸需要です。例えば大阪府の場合、15年前と比べて、人口が880万人前後とほぼ横ばいなのに対し、世帯数は348万世帯から392万世帯にまで増加しています。

世帯構造を見ると、夫婦2人と子どもから成る核家族世帯が減少傾向にある一方で、一人暮らし世代が103万世帯から147万世帯と、5割近くも増加しています。こうした一人暮らし世帯は、今後もしばらくは増加し続けると見込まれており、特にワンルームタイプの賃貸需要を下支えしています。

最近では、利便性の高い地域へ極端に人気が集中する傾向にあります。物件としては、人気が集まるエリア、またはその周辺にドーナツ状に広がる(より物件を確保しやすい)ゾーンから選ぶべきでしょう。

不動産は株式・投資信託と違って実物資産であり、運用次第では安定した利回りを享受できることが大きな魅力です。一方で、賃貸投資で成功の鍵を握るのは、安定した賃料・入居者を確保することだといえます。だからこそ、投資検討にあたっては利便性・居住性などで競争力の高い物件を選ぶ方がよいでしょう。


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