一般的には「がん」を患った時のみ保証される「がん保険」。がん以外のさまざまな病気も保証される「医療保険」とは違い、がんのみに特化した保険のため、月々の保険料を安く抑えることができます。しかし、他の病気は保証されないことから、がん保険は不要と考える人も少なくありません。そこで今回は、がん保険は本当に不要なのかや、「がん団信」という別の選択肢について解説します。
がん罹患のリスク
現代の日本において、最も多い死亡原因はがん(悪性新生物)です。(厚生労働省「令和元年(2019年)人口動態統計月報年計(概数)の概要」より)がんと一言で言っても、乳がんや肺がんなどさまざまな種類があります。死亡原因が最も多い病気とはいえ、医療の発達によりがんは必ず死亡する病気ではありません。しかし、誰でもなり得る身近な病気です。ここからは、そんながんの罹患率と治療費についてご紹介します。
がんの罹患率
国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」が発表したデータによると、女性は30代後半から、男性は50代から、がんを患う割合が高くなります。がんを患う部位も男女で異なり、女性は大腸がん、男性は肺がんの死亡率が高いです。
がんの罹患率は、2017年のデータで男性が65.5%、女性が50.2%です。つまり、男女どちらも2人に1人はがんになる可能性があります。なお、がんの罹患率とは、新たにがんと診断される確率のことです。
出典:国立がん研究センターがん情報サービス「最新がん統計」
治療に必要なお金
がん治療にかかる費用は、がんの種類や治療法により異なりますが、入院した場合の1件あたりの平均治療費(自己負担分)は、厚生労働省「医療給付実態調査(H28年度)」によると184,092円となっています。
現在、がんの入院にかかる日数は短くなってきていますが、手術後も治療や検診など定期的な通院が必要となります。
がん治療にかかる費用の内訳は下記の通りです。
・血液検査、CTなどの検査費用
・診察費用
・手術費用
・調剤薬局に支払う薬代
・病院に支払う薬代 など
これらは必ずかかる費用です。他にも通院のための交通費などが必要になります。
参考:イオン銀行「ガン治療はいくらかかる?知っておきたい住宅ローンの頼れる制度と保険」
がん保険は不要なのか
「がん保険」は、一般的にはがんのみを保証する保険です。そのためがん保険に加入していても、他の病気にかかってしまった場合、がん保険による保険金は出ない場合があります。また、がん治療は公的制度を活用することで治療費の負担を軽減することができます。
自己負担を軽減できる公的制度とは?
がんを患った際に頼れる公的制度は、下記の4つです。
・高額療養費制度
・傷病手当金
・医療費控除
・介護保険
まず高額療養費制度とは、医療費が一定額を超えた際に、超えた金額分を払い戻す制度のことです。払い戻される金額は給与所得区分により変わります。また注意点として、入院時のベッド代や食事代は、高額療養費制度の医療費の対象とはなりません。
次に、傷病手当金は、会社員や公務員が健康保険で受けることのできる手当です。会社を休んだ4日目(連続した3日間の休みを含む)から、原則給料の3分の2が1年6ヶ月まで支給されます。
(全国健康保険協会「傷病手当金について」)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g6/cat620/r307/」
なお、自営業やフリーランスの方は、傷病手当金を受け取ることはできません。
次に、医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間の医療費が10万円を超えた場合に、所得税と住民税が控除される制度です。医療費控除を受ける場合には、必ず確定申告を行う必要があります。
次に介護保険は、40歳以上の人が病気により介護が必要になった際に、公的介護保険のサービスを、原則1割の自己負担に減らすことができる制度です。
(厚生労働省HP:「要介護認定」より)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/nintei/index.html
※各制度の適用条件等詳細は、関係法令、関係省庁の公表情報をご確認下さい。
想定される自己負担
上記の公的制度を受けたとしても、自己負担が全く無くなるという訳ではありません。高額療養費制度であれば、一定額分を自己負担しなくてはならなかったり、介護保険が適用されても公的介護保険のサービスの1割は自己負担になります。また、入院が長期化すれば、自己負担も多くなります。
収入がなくなるリスク
がんと診断された場合、通院で治療ができれば仕事を継続できる場合もあります。しかし入院が必要となると、仕事を休まなくてはならず、収入が無くなる恐れがあります。傷病手当金を受けることができれば、最大で1年6ヶ月間は給料の3分の2が支払われますが、それ以降は傷病手当金による収入は無くなります。給料の3分の2が支払われるとはいえ、給料が30万円だった場合、10万円の減収になるため、かなりの痛手です。また、自営業やフリーランスの方は、この制度を受けることはできないため、収入がなくなるリスクがあります。
万が一に備えて、普段から貯蓄をするよう心がけておくことが大切です。
不動産ローンのがん団信
公的制度を受けるためには、さまざまな条件があります。そこでがんの治療費を軽減する方法として、不動産ローンを組む際に「がん団信」への加入があります。ここからは、不動産ローンでのがん団信加入のメリットをご紹介します。
がん団信で不動産ローンがゼロになる?
がん団信とは、保険内容に定められているがんと診断された場合に適用される、生命保険の一種です。不動産ローンの契約時に加入することができ、条件を満たすとローンの残債を保険金で支払うことができます。なお、団信とは、団体信用生命保険の略で、ローン契約者に万が一死亡または高度障害状態になった場合に、生命保険会社から保険金が金融機関へ支払われ住宅ローンの返済が扶養になるため、残された家族の経済的な負担を減らすことができる保険のことです。
さらに不動産ローン契約時にがん団信に加入しておくと、保険内容に定められているがんと診断された場合にも生命保険会社から保険金が金融機関へ支払われ住宅ローンの返済が不要となるため、生命保険会社が提供する加入プランによっては不動産ローンの残債がゼロになる可能性があります。
現物資産が手元に残る
不動産は現物資産です。現金ではなく、現物資産という形で不動産を相続することで、相続税の課税率が低くなり、残された家族の税金の負担を減らすことにつながります。
がん団信は不動産投資ローンでも適用できる
がん団信は生命保険の一種ですが、住宅ローンや不動産投資ローンの契約時に加入できる保険です。がん団信について、さらに詳しくご紹介します。
住宅ローンが主流
がん団信は前述の通り、住宅ローンや不動産投資ローンの契約とともに加入します。民間の金融機関の場合、住宅ローンを借り入れる際、原則として団信への加入が義務付けられています。がん団信は、団信の保険内容に、がんが加わったものです。がん団信に加入することで、通常の団信にさらに保険内容を追加するため、金利は高くなります。しかし、ローン契約者ががんを患った場合には、保証を受けられます。
不動産投資ローンでもOK
がん団信に加入しておくことで、ローン契約者ががんと診断された際に、ローンを完済できるなど、手厚い保障を受けることができます。プレサンスグループの提携する金融機関の不動産投資ローンは、がん団信への加入が可能です。(一部金融機関のみのご提供となります。金融機関によってはがん団信をご提供していない場合もあります。)がん団信への加入に興味がある方は、ぜひご検討ください。
がんのための備えは保険だけじゃない
がん保険は一般的な医療保険とは違い、一般的にはがんのみを保障する保険です。そのため医療保険に比べて月々の保険料を安く抑えることができます。保険料の負担を軽減できるという点においては、がん保険は検討の余地があります。しかしがん保険以外にも、公的制度やがん団信など、治療費の自己負担を軽減できる制度や保険があります。さまざまな保険を検討し、自分に合った保険に加入することがベストな選択です。保険の詳細やメリット、デメリットを把握し、最適な保険を見つけましょう。
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