2016年の生命保険文化センターの調査によると、老後もゆとりをもって生活するためには、月額平均約35万円の生活費が必要といわれています。しかし、公的年金だけでは、ほとんどの場合35万円に及びませんから、不足分は投資など自助努力によって老後資金を確保しなければなりません。では、一体何に投資すれば良いのでしょうか。
老後生活資金の準備として注目される個人年金保険
自助努力で老後に備えるといっても、銀行預金は2019年1月時点で普通預金よりも利回りの高い定期預金1年でも0.01%ですから、ほとんどタンス預金と変わりません。しかし、株式などのハイリスク商品は高い利回りが期待できる反面、元本割れのリスクがあり老後資金の準備には向かないでしょう。そこで、注目されているのが個人年金保険です。
生命保険会社などで契約して若いうちからコツコツと積み立てをしていき、保険会社が運用して指定した年金支払期間に達すれば個人年金が支払われる仕組みです。保険の種類によって、加入者の生死にかかわらず一定期間個人年金を受け取れる「確定型」、一生涯受け取れる「終身型」があります。「確定型」「終身型」のどちらにしても受け取れる年金額は契約時にあらかじめ確定しています。
出口で受け取れる金額が見えていることは、老後資金を準備するうえで計画を立てやすいでしょう。保険会社の運用実績に応じて年金額が変わる「変額個人年金保険」もありますが、こちらは個人年金全体からすれば1割程度の少数派です。やはり、老後資金の準備ですから、支払額が確定しているほうが安心です。
このような理由から個人年金保険全体では、受取期間を10年間としてリタイアから公的年金支給年齢までの中継ぎとして利用する「確定型」が現在の主流です。
中継ぎだけではその後の生活が心配に
2016年に生命保険文化センターが発表した「平成28年度生活保障に関する調査」によると、個人年金保険への加入率は、1996年に25.4%あったものの、2016年では21.4%と若干減少しています。これにはさまざまな要因が挙げられますが、やはり個人年金保険だけでは、必ずしも十分な備えにはならないと考える人が多いからではないでしょうか。
たとえば、「確定型」の個人年金の払込期間が30年で、月額2万円とした場合には、総払込額は2万円×360回で720万円になります。運用益を無視して計算すると、720万円を10年間で受け取るとすれば、720万円÷120回で毎月受け取れる年金額は6万円です。返戻率10%とした場合は、720万円×1.1÷120回で6万6,000円になります。
払込期間:30年
掛金:月額2万円
総払込額:2万円×360回(30年×12ヵ月)=720万円
受取期間:10年
(運用益なしの場合)
受取金額:720万円÷120回(10年×12ヵ月)=6万円/月
(返戻率10%の場合)
受取金額:720万円×1.1÷120回(10年×12ヵ月)=6万6,000円/月
公的年金支給開始までの中継ぎなら、一定の効果が期待できますが、受取期間の10年が過ぎてしまうとどうなるのか不安が残る内容です。しかし、「終身型」にすれば毎月の受取額は格段に減少して、効果が一層薄れてしまいます。
不動産投資なら賃料収入を生涯受け取れる
その点で注目されるのが、分譲マンションを購入して賃貸住宅として運用する不動産投資です。ローンを利用できるので、一定の自己資金があれば、毎月の持ち出しはわずかな金額ですみます。たとえば、3,000万円の分譲マンションを2,900万円、金利2%、期間30年、元利均等・ボーナス返済なしのローンで購入すると、毎月の返済額は10万7,188円です。
このマンションから諸費用を差し引いて10万円の賃料収入を得られれば、毎月の持ち出しは1万円以下ですみます。賃料収入が9万円としても、持ち出しは2万円弱です。先の「確定型」の個人年金保険を30年掛けた場合とほぼ同じような負担です。
物件価格:3,000万円
借入額: 2,900万円(金利2%、期間30年、元利均等・ボーナス返済なし)
毎月の返済額:10万7,188円
家賃収入:10万円(諸費用差し引き済)
→持ち出しは7,188円
また、個人年金保険なら受け取れる個人年金は毎月6万6,000円が10年間だけですが、マンション投資なら、ローン返済終了後は賃料収入の10万円を生涯受け取れることになります。もちろん、経過年数が長くなれば賃料の低下や維持費の上昇などは避けられませんが、それでも老後の豊かな生活を支えてくれることは間違いありません。
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