
現代の日本では、一度も結婚しない男性も珍しくありません。50歳まで結婚経験のない割合を示す生涯未婚率は、1990年の国勢調査で5.6%、2015年では23.4%と、この四半世紀で急増しています。
日本人男性のおよそ4人に1人が未婚のまま人生を過ごしていることになります。もし独身のまま100歳まで生きたとすると、一体どれくらいの資金が必要になるのでしょうか。
今回は、男性の生涯年収や独身で生きるために必要な金額をシミュレーションしながら、一生にかかるお金について考えていきましょう。
独身で生きる経済的メリット・デメリット
生涯独身の場合、働いて得た収入のほとんどを自分のために使えます。家族にお金を使う必要がないため、結婚して家庭を持つ男性と比べれば、ゆとりのある生活を送ることができます。独身者は、配偶者や子どもの生活費・教育費など、家庭を持つことで発生する費用の負担がありません。
一方で、病気やケガをして働けなくなったとき、収入がなくなってしまう不安があります。結婚していれば、配偶者に働いてもらって家計のピンチを乗り切ることもできますが、独身者にはそれができません。勤務先が突然倒産して、次の就職先を見つけるのに苦労することもあり得ます。夫婦で助け合えるという結婚のメリットがないため、どんな困難もすべて自力で乗り切らなければなりません。
日本は、税金をはじめ、健康保険や年金などの社会保険料まで、家庭を持つことを前提に制度が設計されています。税金には配偶者控除や扶養控除があり、健康保険は基本的に世帯単位で加入するなど、家庭を持つ人に有利な仕組みになっています。
これらを踏まえて、生涯独身のままでいる男性は、既婚者とは違うお金の対策が必要になるのです。
生涯年収と生活コストを考えてみよう
厚生労働省発表の「平成29年賃金構造基本統計調査」によると、勤続年数40年とした大卒男性の生涯賃金は約1億9,000万円、高卒男性は約1億4,000万円です。独身男性はその大半を自分の好きなように使えるわけです。
ただし、働いている独身者の収入は平均で約460万円というデータがあります。食費や住居費、水道光熱費、各種保険料、スマホ代、飲み代、遊興費を合計すると、生活コストは年間約289万円。残りをすべて貯金したとしても年間約171万円です。
勤続年数40年の独身者の総収入が1億8,000万円とすると、生涯で貯蓄できる金額は最大で約6,800万円です。
ただし、人生では病気やケガをして思わぬ医療費がかかることもあります。また、住まいを賃貸のまま一生過ごすのか、分譲マンションや一戸建てを購入するかによっても支出に差が出るでしょう。
不安な老後に必要な資金は?
さらに、老後のための備えもしていかなくてはなりません。今後年金の受給開始年齢が引き上げられて、給付額も減少していくことが予想されます。
直近のデータから考えてみましょう。2017年の高齢単身者の年金支給額は平均で月に10万7,171円でした。月の消費支出の平均は14万2,198万円、非消費支出の平均は1万2,544円なので、毎月4万7,571円足らないことになります。年間では約57万円の赤字です。
65歳で年金を受給し始めたとして、100歳まで35年。単純計算でも、最低2,000万円程度の貯蓄が必要です。
となると、どんなに切り詰めてもただ地道にお金を貯めていくだけでは、人生100年時代の老後は厳しいと言わざるを得ません。
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人生100年時代を見据えた資産運用を
生涯独身を貫く男性は、今後ますます増えていくと思われます。一人で気ままに暮らす生活はお金に余裕があるように見えますが、老後には厳しい現実が待っているのです。
超低金利が続く中、貯蓄だけで人生を乗り切ることは困難です。貯蓄をベースにしつつ、積極的に資産運用を取り入れていく必要があります。
生涯賃金や予想される年金支給額、今後貯蓄できる金額をイメージしながら、投資を含めた賢い資産運用を検討してみましょう。
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