早期退職の割り増しが絡んでいることもあり、日本では50歳前後を目安にハッピーリタイアを考えるビジネスパーソンが少なくありません。今回の記事では、なぜハッピーリタイアを目指すのか、またその時までに資金はいくら必要なのかなど、ハッピーリタイアのリアルに迫ります。
「サザエさん症候群」とハッピーリタイア
自営業やフリーランスの場合、「体が動くうちは働き続けたい」と考えるケースが大部分のようです。自営業だからといって決して楽ではなく、将来的な不安感、資金面の悩みなど苦労は尽きませんが、その一方で誰から強いられるわけでもなく、自分で考えて行動できる自営業は、想像以上に楽しい働き方のようです。
一方、ビジネスマンの場合はアーリーリタイアを考える人が少なくありません。会社組織の一員であるビジネスマンは、絶えず組織の重圧にさらされています。自分の意に反していても、組織の決定には逆らえないこともあるでしょう。自分の意思が必ずしも認められるとは限らない、あるいは認められることがむしろ少ないのが会社組織です。
組織の意思決定も、合理的な判断よりも組織間の力関係が優先され、納得のいかないことがまかり通るという話もよく聞きます。
「半沢直樹」シリーズなどがサラリーマンの間で好評なのは、それがあくまでフィクションだからということもあるかもしれません。現実には、上司に無理難題を言われたり、責任を押し付けられたりするのが日常茶飯事です。それでも人間関係がこじれると後が大変なので、ぐっと我慢しなければならないケースが多いようです。
日曜日の夕方にテレビで「サザエさん」の主題歌が流れてくると、何とも言えず気分が落ち込んでくる、そんな経験はありませんか? これが「サザエさん症候群」と呼ばれるもので、月曜日からまた仕事が始まってしまう焦燥感が引き起こす症状です。そんな会社員生活を苦痛に感じ、早めに退職したいと考えるようになっても何ら不思議ではありません。
ハッピーリタイアに必要な資金
50歳でハッピーリタイアするに当たり、最もネックになるのがキャッシュです。
最近は、60歳以降も再雇用を選択する定年退職者が少なくありません。年金支給開始年齢(2019年8月時点では原則65歳から)を考えると、せめて5年間は働き続けなければなりません。
50歳でのハッピーリタイアとなれば、無収入の期間は15年間に延びます。退職までにその期間の生活資金を貯めておかなくてはなりません。さらに人生90年として、その先25年の生活資金プランも見据えておかなければ、安心して第二の人生には踏み切れません。
では、どのくらいの資金が必要でしょうか? 仮に年間500万円で切り盛りできたとしても、65歳までに7,500万円かかります。これに65歳以降の年金補填分を加味すると、少なく見積もって1億円といったところでしょうか。
1億円とは、入社時から毎月コツコツ10万円ずつ貯め続け、なおかつ利回り8%で運用できて初めて手にすることができる金額です。8%で回す自信がなければ、積み立てる額をさらに増やさなければならないのです。
高いハードルを課すことで資金形成ができる
50歳のハッピーリタイアに向けた資産形成は、並大抵のことではありません。しかしながら、ハードルが高いからこそ頑張れるのも事実です。
それにハッピーリタイアを目指して資産形成しておけば、仮に50歳退職がかなわなかったとしても、定年退職の際、同期と比べて余裕のある老後を送ることができます。
日々の生活にかつかつすることなく、「今年はどこへ旅行しようか」などのゆとりある話もできるでしょう。つまりハッピーリタイアを目指した努力は、決して無駄に終わることはないのです。
ところで、ハッピーリタイアの夢がかなって、全く働かなくなることは、本当に幸せなのでしょうか。人間は社会と関わりを持ち続けることで、日々充実していられるのもまた事実です。
仮に50歳で退職し、組織から解放されたとしても、フリーランスやボランティアなど、何らかの形で働き続ける――。そんな選択肢を考えても良いかもしれません。
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