
みずほ総合研究所のレポート「みずほインサイト(2019年2月8日付)」によれば、2018年首都圏新築マンションの平均価格は6年ぶりに下落し、「先行き懸念高まる」と分析されています。陰りが見えてきた東京不動産に対し、2025年の万博開催を追い風に一気に盛りあがってきたのが大阪不動産です。本稿では、個人投資家にとってどちらが魅力的なのか、両者のメリット、デメリットを比較します。
東京不動産も大阪不動産もウィークポイントはある
2019年時点で、東京と大阪のどちらに投資すべきか悩んでいる方は多いかもしれません。現在の東京都心のマンション価格は高止まり傾向ですが、じりじりと下がる可能性が高い市況に変化しています。前出のみずほ総合研究所のレポート同様、これまで好調だった東京不動産に陰りが見え始めていると見る識者も増えています。
東京都心への不動産投資の魅力が薄れる一方、2025年の万博開催や好調なインバウンドなどの好材料がそろったことで一気に大阪不動産が注目されるようになりました。しかし、大阪不動産にもウィークポイントはあります。それぞれのメリットとデメリットを比較してみましょう。
東京不動産のメリット×デメリット
東京不動産の主なメリットは以下の3つが考えられます。
・グローバルな知名度(海外投資家も注目)
・オリンピック後も大型再開発が続く
・他の海外都市と比較するとまだ割安な面も
上記のうち最後のメリットを補足する材料があります。日本不動産研究所の公表した「第10回国際不動産価格賃料指数」では、東京元麻布地区の価格を100とした場合の海外主要都市の高級住宅価格は次のようになります。
・上海:135.4
・香港:193.9
・台北:122.0
・ニューヨーク:111.5
・ロンドン:225.6
つまり、東京不動産が高止まりしているといっても、海外の主要都市に比べればまだ割安で伸びしろがあるというわけです。東京では、オリンピック閉幕以降も大型再開発が目白押しで、都市としての付加価値をさらに高める可能性もあります。一方、東京不動産の主なデメリットは以下の3つです。
・キャピタルゲインが期待しづらい
・割安な好立地物件がなかなか出てこない
・オリンピックの反動による物件値下がり
最後の値下がりについては、調整程度の値下がりでなく、暴落説もよく聞かれます。このような難しい局面だと、不動産投資をする方は慎重になる必要があります。楽観論や悲観論といった、両方の情報を収集して冷静に判断するのが賢明です。
大阪不動産のメリット×デメリット
大阪不動産の主なメリットは以下の3つです。
・万博、インバウンド、IR(候補)、リニア……好材料ラッシュ
・価格がまさに今上がっている
・大阪全体で大型再開発が進行中
前出の日本不動産研究所の資料によれば、大阪マンションの2010年10月の価格を100とすると、2018年4月は117.3と右肩上がりになっています。さらに、うめきた2期や夢洲、中之島エリア、難波心斎橋エリアなど大阪全体で大型再開発が進行中。判断が難しい東京不動産とは対照的に、大阪は上り調子なのが鮮明です。
一方、大阪不動産にもデメリットはあります。それは、他エリアの投資家の土地勘がないケースが目立つことです。大阪不動産の情報は、東京不動産ほど豊富ではありません。そのため、土地勘がない人にとっては手を出しづらい面もあるといえるでしょう。
リターン重視なら大阪不動産への集中投資?
このように、東京不動産と大阪不動産を比較すると、2019年時点では大阪不動産の勢いが鮮明です。好材料ラッシュを背景に、しばらくは大阪不動産の価値が高まっていく流れが強まるでしょう。一方、エリアリスクを考えると大阪不動産だけに絞るのではなく、東京や名古屋などの不動産も織り交ぜていくという発想もできます。
これに対して、リターン重視なら大阪不動産集中という方もいるでしょう。このあたりは、投資家によってスタンスが変わってきそうです。
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