
ビジネスパーソンが求められるデザイン思考やフレームワーク思考は、美しい名建築に通じるものがあります。なぜなら建築は論理と美が凝集されたものだからです。日ごろの生活の中だけではうまく思考がまとまらない時は、有名建築家が手掛ける美術館に足を運んで感覚を研ぎ澄ませてみるとよいかもしれません。関東圏内にある建築が魅力的な美術館を4つご紹介します。
開放的な空間と曲線美【東京/国立新美術館】
国立新美術館は、国内最大級の展示スペースを有する都内屈指の美術館であり、美術に関する情報のアーカイブや提供に加え、教育普及などアートセンターとしての役割も併せ持っています。コレクションを持たず、公募展や企画展を事業の中心とする同館は、搬入出や展示品審査などのニーズに合わせた機能的な設計です。建築家・黒川紀章(きしょう)の手による実用的かつ美しい建築の完成度は、高い評価を受けています。
ゆるやかなウェーブを描く全面ガラス張りの外観は一見の価値があります。緑に囲まれた姿を眺めながら、周辺散策に足を運んでみるのもいいかもしれません。開放的な吹き抜けのパブリックスペースには、温かな自然光が降り注ぎます。内容に合わせて自在に変化する展示スペースでは、複数の企画展や公募展が同時開催されているので、新しい出合いを求めてはしご鑑賞するのも一つの楽しみ方です。
建築賞を受賞した驚きの形【千葉/ホキ美術館】
ホキ美術館は2010年11月に開館した、写実絵画専門の美術館です。保木将夫がコレクションした480点もの写実絵画を展示する同館は、写実絵画を鑑賞するために適した空間を作ることに注力した、独創的な建築が特徴です。緑豊かな昭和の森に面した同館は、散歩がてらぐるりと外周を歩いて、さまざまな表情を楽しんでから入館するのがおすすめ。回廊の角度が変わるだけで、全く別の建築に見えます。
鉄骨造の30メートルもの回廊が、空に浮かぶように張り出した構造は、絵画と鑑賞者の間に無駄なものが一切干渉しないように徹底したシンプルさが導き出したもの。既存のコレクションが大小さまざまな絵画であることに合わせ、大きなカーブを描く回廊となったのです。特徴的でしかも美術館の求める条件にマッチしたこの建築は日建設計が手掛けたもの。2011年度日本建築大賞(社団法人日本建築家協会)を受賞しました。
直線的で奥行きのある建築【埼玉/埼玉県立近代美術館】
国立新美術館と同じく黒川紀章が手掛けた埼玉県立近代美術館。なめらかな曲線を描くガラス張りの側面と直線的な外梁のコントラストが特徴的で、展示される近代美術と相性のよい建築デザインです。同館は北浦和公園内に立っており、屋外にも美術作品を楽しめるゾーンがあるので、散策を楽しんでから入館することをおすすめします。
公園との共存をテーマに建築された同館は、並木道などの景観を崩さないよう建築物の高さを抑えて設計されており、その工夫は鑑賞者の導線や地下の利用にも表れています。芸術を幅広く捉えた企画展やコンサート、講演会の開催も盛んで、絵画のみならず、さまざまな芸術に触れたみたい人には楽しめる要素が豊富。空間利用の妙を感じつつ、体感できる芸術の刺激に触れてみてください。
空間を生かした壮大な美しさ【群馬/群馬県立館林美術館】
2001年に建てられた群馬県立館林美術館は、開放的な芝生の広場を含めてデザインが施されています。美しく整えられた広場にシンプルな弧を描いて立つ美術館は、それ自体が作品としての存在感を放ちます。
近現代の美術作品を中心としたコレクションのテーマとして掲げられているのは「自然と人間の関わり」。調和や共生といった主題を感じさせる国内外の作品を展示し、地域における芸術普及の拠点を目指しています。別館「彫刻家のアトリエ」は、フランスの彫刻家フランソワ・ポンポンの資料や道具を常設展示しており、アーティストのアトリエに入るような体験ができます。
機能的で美しい美術館がセンスを磨く
美術館は、市民の憩いの場や芸術普及の拠点として存在し、芸術品を鑑賞するための機能美にあふれています。その工夫が凝らされた建築を意識して鑑賞すると、普段とは違った観点から物事を考える機会を得られるかもしれません。いずれの美術館も、周辺環境も含めて魅力的なので、リフレッシュを目的とした美術館巡りに出かけてみてください。
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