
在日外国人に対してネガティブなイメージを持っている日本人はいまだに少なくないようです。歌舞伎町の中国人アンダーグラウンド社会を克明に描いた馳星周のベストセラー小説『不夜城』(1996年発行)以来、メディアの影響で先入観が染みついているのかもしれません。
ただし、こうした固定観念は時代錯誤です。今でも歌舞伎町の裏町では中国語の飛び交う光景が見られるようですが、最近存在感を強めているのは、お金持ちの留学生と専門・技術職の人材です。
この記事では、彼らの職業・ステイタス・ライフスタイルを解剖し、賃貸や分譲市場における影響力を解説します。
「外国人=低賃金」は時代錯誤

ここ25年間で日本に在留する外国人は、129万人から273万にまで急増しました。そのうち、かつてマジョリティーだった特別永住者は32万人と2割未満に過ぎず、ニューカマーが多数を占めています。なかでも中国人は76万人と、トップの座を占めています。
在留資格別では、技術・経営管理・国際業務など専門・技術的人材が42万人と、(特別・一般永住者等を除いた)在留外国人127万人の3割以上を占めています。
就業状況でも、たとえば在日中国人の19%はコンサルやエンジニアといった専門・技術職についており、これは日本人の14%を上回っています。中国人は大学卒が45%(日本人は36%)と高学歴が多いのも影響しています。建設労働・飲食・コンビニ店員・マッサージといったステレオタイプは崩れつつあるのです。
管理職などについている中国人は7%で、日本人の16%にはおよびません。企業組織の壁はまだ高いようですが、大手企業もダイバーシティー化の動きを強めており、今後は登用が進みそうです。
最近では政府も専門・技術的人材の受け入れに熱心で、とくに高度なスキルを持つ人材に対しては、在留期間の延長(または無期限)・幅広い就業の認容・配偶者の就労・親の帯同などさまざまな優遇条件を提供しています。
高度人材は、学歴・年収・職務キャリアに応じて付与されたポイントによって、認定されます。認定者は累計で8,500人に達し、そのうち7割近くが中国人です。
在留資格別では留学生も34万人と、25年前の5万人前後から7倍近くに増えています。留学生といえばメディアでは資格外活動(コンビニでのバイトなど)ばかりがフォーカスされますが、その一方で「遊学」に近い富裕層子弟も少なくないのです。
高級マンションで暮らす中国人留学生

池袋から地下鉄で2駅、豊島区内の某高級住宅地に中国人家族が越してくる、超名門私立女子中高で同級生が中国人……こうした話を最近よく耳にするようになりました。
山手線の内側、5,000万円クラスの高級マンションに一人で暮らし、早慶クラスの大学に通う……そんな中国人留学生もさして珍しい存在ではなくなってきました。もちろん、アルバイトはしていないか、していてもあくまで社会経験のためだったりします。奨学金制度(月額5万円程度)の話をしても、まったく興味なさげなことも多いとか。
そして、卒業後は日本人でも難関の超一流企業に就職するケースも少なくありません。
在日外国人に人気なのは湾岸・水辺エリア
留学生に限らず、賃貸を含めた高級マンションを扱う業者にとって在日中国人は上得意です。かつての投資物件爆買いは鳴りをひそめ、あくまで居住用としてのニーズが高いようです。
とくに人気があるのは、田町・汐留・芝浦・お台場・月島・みなとみらいまでの海沿いエリアとされています。
上層階における眺望が素晴らしさに加えて、海のそばは風水的に運気を呼ぶからなのだそうです。風水的には池や川でもOKで、大手町付近、浜松町や八丁堀も中国人に人気です。学校施設などの充実ぶりも、日本人以上に教育熱心な彼らには魅力的に映るようです。
不動産賃貸・投資ビジネスを進めるにあたっては、中国人をはじめとする在日外国人のこうしたトレンドを意識しておきましょう。
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