京都市は、不動産投資の穴場エリアです。京都にこだわる投資家は、このエリアの魅力を「希少価値が高いから」と語ることが多いですが、これは事実でしょうか。データで確認してみましょう。
京都の新築マンション発売戸数は東京の12分の1。圧倒的な希少価値
京都の不動産に詳しい識者によれば、この地の賃貸市場は「常に賃貸需要が供給よりも上回っている」とのこと。借りたい人の数が多いということは、空室リスクが少なく、売買価格も安定しやすいといえます。
実際にデータで見てみると、京都の分譲(新築)マンションの希少価値はかなり高いです。不動産投資の人気エリアである東京23区と比較してみても、京都市のマンションの希少価値は圧倒的です。
京都市と東京23区の分譲マンションの発売戸数(2016年~2018年)は、次の通りです。
- 2016年 京都市:1,384戸 東京23区:1万4,764戸
- 2017年 京都市:1,220戸 東京23区:1万6,017戸
- 2018年 京都市:1,227戸 東京23区:1万5,957戸
出所:不動産経済研究所「マンション市場動向―2018年まとめ―」
3年間の発売戸数を平均すると、京都市1,277戸、東京23区は1万5,579戸。京都市の新築マンションの発売戸数は、東京23区の約12分の1ということになります。ただし、発売戸数が少ないのは、京都市の人口が東京23区より少ないという理由もあります。
両都市の人口を比べてみると、京都市の人口147万人に対して、東京23区は957万人。京都市の人口は東京23区の約7分の1ということになります。人口の開きよりも発売戸数の開きが大きいということは、「京都市の新築マンションには希少価値がある」といえます。
京都の新築マンションに希少価値があるのは、厳しい規制があるから
京都市内の新築マンションは、なぜ希少価値が高いのでしょうか? 今後、発売戸数が増えて、中古も含めた賃貸・不動産市場が飽和状態になる恐れはないのでしょうか?
結論から言えば、京都はこれから先もマンションの希少価値が高い状況が続きそうです。理由は、厳しい景観政策や建物の高さに対する規制にあります。
歴史的建造物が集中する京都市では、戦前・戦後を通じて景観保全に取り組んできた伝統があります。1930年の「風致地区」指定を皮切りに、1972年には全国に先駆けて「市街地景観条例」を制定しました。さらに2007年に施行された「新景観政策」では、厳しい高さ規制が加わりました。
京都市では、バブル崩壊後の地価下落などの影響で、1990年頃から高層マンション建設が相次ぎました。これによって、風情が失われかねないとの懸念から「新景観政策」で最高限度が下げられ、マンションを建てにくい環境となったのです。
一方、最近は京都駅周辺で高さ規制を緩和するなどの動きも出てきていますが、一部エリアに限定されているため、京都市内全域でマンションが乱立するといった状況は考えづらいといえます。
エリア選びで東京への一点集中は「過当競争リスク」あり
もちろん、不動産投資のエリア選びでは、希少価値以外のファクターも重要です。京都市には、下記のような魅力もあります。
- 日本を代表する大企業が集中している
- 大学・大学生の数が国内トップクラス
- 大学発のベンチャー企業が多く発展が期待できる
大企業のサラリーマンや学生は、賃貸マンションの見込み客です。また、都市の発展は賃貸ニーズの安定化に貢献してくれるでしょう。
東京以外の主要都市を含めて幅広い視点でエリア選びを
ここでは京都市にフォーカスしましたが、他にも不動産投資にふさわしい都市は数多くあります。それらと比較しながら、最も魅力を感じるエリアを選択するのが賢明です。
大事なことは、「不動産投資は人口が安定している東京がベスト」といった業者の言葉を鵜呑みにしないことです。確かに、東京は不動産投資のエリアとして人気がありますが、それだけ大勢の投資家の視線が集まっているため、競争が激しいということです。
だからこそ、東京以外の都市も視野に入れつつ、エリアを選んでいくべきなのです。まずは、主要都市のそれぞれの特徴をリサーチしてみましょう。
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