「観光地の京都市に投資?」というと、意外に感じる方もいるかもしれません。しかし、京都の不動産は、その希少価値の高さから一部の投資家に注目されています。さらなる魅力としては、「街の成長性」もあります。東京一辺倒の視野を広げてみませんか。
京都市は「成長可能性ランキング」で3位のポジション
国内の主要都市の中でも、京都市は特に将来の成長性を期待されています。街の成長性が高ければ、不動産市場も活性化しやすく、賃料や物件価格の長期安定化にプラス要素となります。
野村総合研究所の全国100都市を分析したレポート「成長可能性都市ランキング(総合)」で、京都市は3位のポジションにあります。
- 東京都特別区部
- 福岡県福岡市
- 京都府京都市
- 大阪府大阪市
- 鹿児島県鹿児島市
出所:株式会社野村総合研究所『ランキングによる都市の持つ「成長可能性の可視化」』
同レポートでは、京都市が成長する可能性を期待できる理由を、次のように挙げています。
- クリエイティブな都市:文化財や歴史、アートのふれあいが盛ん
- 大学発のベンチャー企業が期待される都市:大学が多く、産学連携も盛ん
- 世界に開かれた都市:国際会議や外国人が多い
- 市民の満足度が高い:コンパクトな都市に公共交通機関が充実
なぜ、成長ランキング1位の東京だけでは駄目なのか
気になるのは、冒頭で紹介した「成長可能性都市ランキング」の1位・東京特別区部(23区)や2位・福岡市の存在です。より成長が期待できる両都市に投資すればいいのではないか、と考えることもできます。
それも一案ですが、東京や福岡は不動産投資の人気エリアのため、他の投資家との競争が激しい環境です。資産価値の高い不動産を割安(または適正価格)で手に入れるのは、決して容易ではないでしょう。
そのため、東京や福岡以外の都市を視野に入れながら、エリアを選定していくのが賢明です。その有力候補の一つが、成長可能性ランキング3位の京都市なのです。
大企業が集中する京都市 次の時代を担う大学発ベンチャーも続々誕生
前出の野村総研のレポートを基にすると、京都市が成長するファクターとして、次の3つのキーワードが挙げられます。
- クリエイティブ
- グローバル
- ベンチャー
ここで特に着目したいキーワードは「ベンチャー」です。もともと京都市は先進の企業が生まれやすい土壌で、その一部は日本を代表する大企業に成長しています。一例では、京セラ株式会社、任天堂株式会社、日本電産株式会社などがあります。
そして現在でも、京都では数多くのベンチャー企業が生まれ続けています。特に先進技術を研究する大学発のベンチャー企業が目立ちます。これをリードするのが京都大学で、大学発のベンチャー企業の増加数において、2年連続1位を獲得。2位の東京大学を2017年・2018年の2年連続で上回っています。
ちなみに、京都の大学発のベンチャー企業がより生まれやすい環境をバックアップしているのが、2014年に立ち上げられた京都大学イノベーションキャピタル(通称:京都iCAP)です。160億円の創業支援ファンドを運営しており、29社の大学発スタートアップ企業に約51億円を投資しています(2019年7月段階)。
今後も京都iCAPを中心に、国内外から注目される大学発ベンチャーが数多く誕生することが期待されます。
大学発のベンチャーから60社以上の上場企業が生まれている
技術革新が重要な現代では、大学発のベンチャーはその街の成長において大きな役割を果たします。一例では、オースティンはテキサス大学(オースティン校)を中心にした産学連携がきっかけでハイテク産業の都市になりました。また、シリコンバレーはスタンフォード大学やカリフォルニア大学などの留学生による創業が成長エンジンになっています。
日本では、2,000年に420社しかなかった大学発のベンチャー企業は、2,278社を超えてその中から64社もの上場企業が生まれています。未上場の企業も含めて、革新的なビジネスモデルにチャレンジする大学発のベンチャー企業は、納税や就労場所の貢献などで、多大な地域貢献をします。
その意味では、京都が成長可能性の高い街というのは納得できるといえます。さらに、他の成長可能性の高い街と比較しながら、ベストな投資エリアを選択しましょう。
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