
これまでの大阪の人気エリアといえば、キタとミナミでした。しかし2025年の大阪・関西万博(以下、大阪万博)開催地である夢州(ゆめしま)を中心とした「ニシエリア」が創出されそうです。今回は、その全貌を詳しく紹介します。
最近話題の夢州はいったいどこにある?

そもそも夢洲はどこにあるのでしょうか?位置関係を確認しておきましょう。現在の夢洲は、コンテナ埠頭やメガソーラー発電所がある人工島です。大阪駅から行く場合は、まずユニバーサル・スタジオ・ジャパン近くにあるJRゆめ咲線「桜島駅」まで行き、そこからバスを乗り継ぎながら「夢洲コンテナターミナル」に到着するルートです。
もう一つのルートとしては、大阪メトロ中央線「コスモスクエア駅」からバスを使い、海底トンネルを経由して向かう方法もあります。
こんな感じの街になる? 夢洲の未来図とは

キタ・ミナミの売りが活気ある「歓楽街」に対して、ニシの売りは「一大リゾート地」です。今回の夢洲を中心とした再開発は、官民一体になっての大規模なものになります。まず大阪メトロでは、万博開催前年の2024年を目標に現在は「コスモスクエア駅」が終点の中央線を海底トンネルである「夢咲トンネル」を経由して夢洲まで延伸する計画を発表しました。
延伸した場合、近未来都市の軸になるのが「夢洲駅タワービル(仮称)」です。高さ275メートル規模になる予定のこのビルは、地上55階建ての中に飲食店などの店舗や、ホテル、オフィス、展望台などが入る大型施設で、投資規模1,000億円を超える巨大プロジェクトとなります。このほか鉄道網の整備ではJR西日本が桜島線を舞洲経由で夢洲まで延伸する計画や、京阪電気鉄道が中之島線を大阪メトロ中央線の九条駅に接続する計画も検討中です。
一方、夢洲では万博以外の動きもあります。大阪府・大阪市が中心になってIR(統合型リゾート)の誘致を目指しているのです。カジノを含めた大型リゾートだけに、人工島である夢洲は格好の場所といえるでしょう。誘致が決定すれば、大阪万博の期間中は宿泊込みの観光需要で相当大きな経済効果が期待できます。
さらに外国人観光客誘致の政策では、大阪市が夢洲の北側に大型クルーズ船が発着できる旅客ターミナルを設ける計画を明らかにしています。これによって空の玄関口・関西国際空港に加えて、海の玄関口もできることになり、IRに関心を持つ外国人観光客の誘致に大きな効果が見込めるでしょう。
公共・民間マネー流入で、大阪の不動産市場は大活況の気配
大阪万博の民間負担額は約400億円強とされています。このうち200億円は関西経済界が分担することを「関西経済連合会」「大阪商工会議所」「関西経済同友会」の経済3団体が表明しました。万博の経済効果は2兆円ともいわれるだけに、著名な企業が協力の要請受け入れを表明しており、資金面での心配はなさそうです。
このような公共・民間マネーの流入で「大阪の不動産市場は大活況に向かっている」という見方が強まっています。海外からの投資も拡大しており、民間不動産サービス会社JLLの調べでは、2018年における大阪圏の100億円以上の大型不動産取引は15件です。
万博、IR、USJで全国屈指の観光エリアへ飛躍
夢洲周辺の巨大プロジェクトは全国的にも注目を集めています。このエリアは桜島駅近くにある「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」で認知度が高く、需要の面でも基礎票があるような状況です。これに万博、IRが加われば相乗効果でとんでもない人数の観光客がこのエリアを訪れる可能性があり、経済界、不動産業界の期待は今後ますます高まることが予想されます。
人工島である夢洲が不動産業界の夢を乗せた「夢の島(ゆめのしま)」になるかどうか、今後の成り行きが注目されます。
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