マンション投資(不動産投資)をはじめるにあたって「たくさん情報がありすぎて何から勉強していいかわからない」という人もいるでしょう。ここでは、初心者の人が知っておくとその後の収益物件探しなどに役立つ基本知識を解説します。
投資家はどんな理由でマンション投資をしているの?
不動産投資の主な目的は、賃料収入という名の不労所得が入ってくる仕組みをつくることです。なかには節税目的という人もいるでしょう。さらに不動産投資のニーズを細分化すると以下のような項目に分かれます。
- 将来の収入重視:私的年金にしたい、早期リタイヤがしたい
- 現在の収入重視:今、自由に使えるお金を増やしたい
- その他:相続税対策、所得税節税
これらを実現するには、不動産投資の仕組み・種類・リスクなどを勉強して目的に合った選択をすることが重要です。そのファースト・ステップとしてここではマンション投資初心者の人にこそ知ってほしい基本知識と重要キーワードを押さえていきましょう。
マンション投資の初心者なら抑えておきたい3つの基本知識
基本知識1:不動産投資(マンション投資)の仕組みはシンプル
一口に不動産投資(マンション投資)といっても種類はたくさんありますが基本的な仕組みは同じです。収益物件を運用して得た賃料収入から経費・税金を引き、残ったお金が最終的な手残りになります。計算式にすると「賃料収入-経費・税金=最終的な手残り」です。賃料収入から経費・税金を引いたら手残りがほぼゼロ、あるいはマイナス収支になるケースもあります。
しかしこの場合は将来の私的年金を得るための資産形成などが目的です。「築古マンションなど現在の収入重視か」「新築マンションなど将来の収入重視か」で選択する収益物件の種類が変わってきます。
基本知識2:収益物件を購入する方法は2つある
不動産投資では、収益物件の購入方法が大きく2つあります。1つ目の方法は「金融機関のローンと自己資金を組み合わせる方法」です。手持ち資金をほとんど減らさずに資産形成を進められることがメリットになります。こちらの方法と相性がよいタイプは、「資産形成を進めたいけど手元にお金を残しておきたい」といった考えの人でしょう。
2つ目の方法は「現金一括で購入する方法」です。ローンの金利を負担しなくてよいことはメリットですが手元資金が十分にあることが前提条件になります。こちらの方法と相性がよいのは、手元のお金を減らしたい相続対策を進めたい人などに限られるでしょう。
基本知識3:不動産投資は手堅く資産形成をしたい人向き
マンション投資を含む不動産投資は、FXや株の信用取引などのように短期間でリターンを狙う投資ではありません。毎月の賃料をコツコツと積み上げ、まとまった利益獲得や資産形成を実現するものです。そのため短期間で一攫千金を狙う人には不向きで、ある程度の期間をかけてじっくり手堅く資産を形成していきたい人に向いています。
もちろん他の投資・資産運用と同様に元本割れのリスクはありますが、実物資産(モノ)ですので一定の価値が残るのも強みです。
マンション投資の初心者なら抑えておきたい3つの重要キーワード
マンション投資初心者が知っておくべき重要キーワード1:インカムゲインとキャピタルゲイン
マンション投資を含む不動産投資には、「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」という2種類の利益があります。両者の違いをしっかり押さえておきましょう。
「インカムゲイン=賃料収入」こちらを基本に考える
毎月入ってくる賃料収入がインカムゲインです。インカムゲインは、空室や賃料滞納が発生しない限り決まった額が入ってきます。加えて住宅用の賃貸物件は景気に左右されにくいので「長期的に計算しやすい利益」といえます。そのため一般的な不動産投資では、こちらを中心に考えていくのがセオリーです。
「キャピタルゲイン=売買差益」将来予測が難しい
売却したときに得られる購入時と売却時の差益がキャピタルゲインです。もちろん購入時よりも売却時の価格が下がれば(差損)、キャピタルゲインは得られません。新興国の不動産はキャピタルゲイン狙いで購入するケースもあります。しかし国内の不動産は賃料収入のインカムゲイン重視で考えるのが原則でしょう。なぜなら不動産価格は経済や政治の情勢に左右されるため予測がしにくいからです。
また、入居者からの家賃収入でローンを返済していくと残債が減ってきます。たとえ購入時より売却価格が下がったとしても、ローン残債より高い金額で売却できれば、売却による利益を得ることができます。
マンション投資初心者が知っておくべき重要キーワード2:表面利回りと実質利回り
利回りは、不動産投資のポータルサイトや広告の物件紹介でよく表記されています。この利回りの計算方法も覚えておきたい知識です。利回りには2つの種類があります。それぞれの計算式は次の通りです。
- 表面利回りの計算式:年間賃料÷収益物件の購入価格
- 実質利回りの計算式:(年間賃料-年間経費)÷(収益物件の購入価格+購入経費)
表面利回りは、単純に年間賃料を購入価格で割ったものです。一方の実質利回りは、表面利回りの計算式に年間経費(管理費・修繕積立金・固定資産税など)と購入経費を組み込んだものになります。一般的に収益物件のポータルサイトや物件広告などで「利回り」と記載されている場合は、表面利回りを指すことが多いです。
マンション投資初心者が知っておくべき重要キーワード3:イールドギャップ
マンション投資の初心者は、利回りにとらわれるケースが多い傾向です。しかしイールドギャップという指標も見逃せません。これは利回りから借入金利を差し引いたもので「イールドギャップ=利回り-ローン金利」で算出可能です。イールドギャップが大きくなるほど利益も期待できるでしょう。仮にいくら利回りが高い収益物件でも借入金利が高ければ利益は出にくくなります。
【例】利回り5%・ローン金利1%→イールドギャップ4%
4%が利益の源泉となる。
不動産投資の人気で物件価格が上昇し、利回りが低くなったとしても、超低金利が続いているため、不動産マーケットに妙味がある状況といえます。ただし利回りや金利の動向は、経済や政策の影響で刻々と変わるため、常にアンテナを張って「今が投資物件の買い時か」を見極めることが必要です。
マンション投資の初心者が抑えておきたい経費のこと
冒頭で不動産投資の仕組みは「賃料収入-経費・税金=最終的な手残り」と解説しました。しかし初心者はこのうち「経費・税金」の部分をイメージしにくいかもしれません。最後に運用時にかかる主な経費・税金を紹介します。オーナーが負担する経費は次の通りです。
- 管理費・修繕積立金
- 管理会社へのフィー
- 損害保険料(その年度の掛け捨て分のみ)
- ローンの金利部分(元本は除く)
- 減価償却費(土地以外の建物部分)
- 修繕費・住宅設備の交換費用
- 固定資産税・都市計画税
- 雑費(例:交通費や書籍代)
- 税理士へのフィー など
※区分所有マンション投資の場合の項目
「1管理費」と 「2管理会社へのフィー」のポイント
マンション投資の初心者が特に理解しにくい項目は、「1管理費」と「2管理会社のフィー」ではないでしょうか。この1と2の違いがよくわからないケースも多いようです。管理費とは、マンションの共有部分の清掃や管理などにかかる経費で必ず発生します。これに対して管理会社へのフィーは、入居者募集・クレーム対応・賃料徴収などの業務を委託する管理会社へ毎月払う経費です。
オーナー自身でこれらの業務を担当すればかかりませんが、それなりの労力がかかるので自由時間の少ない会社員は管理会社へ委託したほうが無難といえます。
「3損害保険料」のポイント
支払額があらかじめ決まっている生命保険と違い損害保険は損害額に応じて支払われるものです。損害保険の具体的な中身は、火災保険や地震保険などです。なお地震保険は火災保険とセットでないと加入することができません。
「5減価償却費」のポイント
収益物件を購入した費用のうち「建物部分は毎年、経費計上していく」という税制上のルールがあります。ちなみに経費計上できる期間は建物の構造で決まっていて例えば鉄筋コンクリート造の新築マンションは47年間です。減価償却費は、実際には使っていない費用を計上できるため、所得税節税の鍵を握ります。
ここでは不動産投資(マンション投資)の基本知識を中心に学びました。不動産投資のなかでも特にマンション投資は少ない手間で堅実に資産形成が見込める資産運用です。しかし投資である以上、リスクがゼロということはありません。不動産投資(マンション投資)の仕組みとリスクを十分理解した上で、ぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか。
>>【無料小冊子】「安定志向」の人はなぜ不動産に投資するべきなのか
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