
賃貸マンションに投資するに当たり、不動産担保ローンを活用することは有効な選択肢の一つです。ローンを通じて、質的にも量的にもより競争力のある物件取得も実現でき、利回りアップにつながります。いわば“借金”ですから返済が心配ですが、空室を極力回避して安定した賃料を確保できれば、無理なく返済することができます。そのためには、利便性や建物のクオリティーの点で競争力の高い、価値ある物件を選ぶことが欠かせません。
この記事では、ローンを利用する場合の返済プランの組み方、稼働率アップにつながる物件の選び方を解説します。
返済計画をシミュレーションしよう(借入額を抑え返済期間は短めに)

ローンを活用して賃貸マンション投資を検討するなら、返済計画のシミュレーションはマストです。住宅ローンなら勤め先の給料を返済に充てますが、アパートローンの場合はあくまで賃貸収入が返済原資です。家賃収入と諸経費を時系列に展開し、差し引き収支(NOI:ネット・オペレーショナル・インカム)をローン返済に充当します。
最近は35年のローンを組めますが、あまりに長期のローンはどうでしょうか。もちろん返済期間が延びれば利息負担はかさみますが、それだけではありません。
ローン返済が終わってはじめてNOIで家計が潤うわけですが、30年先まで待てるでしょうか? しかも30年後には、住まいのトレンドもすっかり変わっているかもしれません。例えば、30年前のワンルームマンションで大流行した3点ユニットバスは、今や不人気の象徴です。現代の間取りのワンルームが果たして30年後にも受け入れられるかどうかは、誰にも予測できません。
ローンを組むなら、返済期間は極力短めに、借入額は適正水準に抑えるのが王道です。
利回り向上の決め手は稼働率
では安定したNOIのために、何を優先すべきでしょうか。まず考えなくてはならないのは、稼働率の向上です。満室を極力維持しておかないと、安定した家賃を確保できません。
空室率は、利便性が高いエリアほど低くなる傾向にあります。近畿圏では、京都府・兵庫県がいずれも13%前後であるのに対し、大阪府は1桁台にとどまっています。空室が出た場合の募集期間も、兵庫県が6ヵ月を超えるのに対して、大阪府は5ヵ月強です。
ちなみに3大都市圏・4大地方都市(札幌市・仙台市・福岡市・広島市)以外の地方は、厳しい状況にあります。例えば、静岡県の空室率は20%を超え、募集期間も9ヵ月に達しています。
また同じ大阪府でも、木造・軽量鉄骨系アパートの空室率は25%以上に張り付いています。最近は相続税対策で郊外エリアを中心にアパートの建築が増加しており、需給関係を悪化させています。その一方で、鉄筋コンクリート系マンションの空室率は7%台の水準です。梅田・天満橋・谷町といった大阪市内中心部で、駅から近い物件に人気が集中しています。
サブリースは利用すべき?

「サブリース契約を結んでいただければ10年間家賃を保証します」。不動産業者はこうしてアパート購入を勧めてくるケースが多いようです。ただし、入居者確保の苦労から解放されるメリットは大きいものの、幾つか注意点があります。
まず、10年保証とうたっていても全額ではなく、保証の範囲は想定家賃の85%前後とされています。また空室保証に免責期間が設けられていたり、一定期間(2~3年)経過後は需給状況・建物の経年劣化・賃料相場に応じて家賃保証額が見直されたりするケースも多いようです。
賃貸経営の一番コアな部分である入居者・家賃確保は、あくまで自らがコントロールし、不動産業者には家賃徴収・メンテナンス・入退去手続といった管理の委託にとどめるという考え方もあります。賃貸経営で成功するなら、できれば手間暇を惜しまず、自ら稼働率向上のシナリオを練り上げる努力が欠かせないのかもしれません。
不動産担保ローンは確かにリスクがありますが、むやみに恐れる必要はありません。空室抑制と安定家賃確保に努め、レバレッジ効果を最大限に享受しましょう。
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