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不動産投資は本当に節税になる?税金の仕組みを徹底解説

働き方改革や副業に関心が高まっている背景から、投資目的のマンション経営などに興味を持たれている方も少なくないでしょう。そこで気になるのが、不動産投資と節税の関係についてです。投資に関してある程度の知識を持っている方なら、不動産投資が節税になると耳にしたことがあるのではないでしょうか。本当に不動産投資が税金対策として有効なのか、詳しく解説していきます。節税を考えるときの注意点も併せて、理解を深めていただければと思います。

不動産投資が節税対策になる理由

節税対策の一環として、不動産投資を用いることがあります。実際にどのような仕組みで税金対策ができるのか、「所得税」「住民税」「贈与税」「相続税」4つの観点からその根拠を説明します。

■所得税の節税

不動産投資を行うと家賃収入によって収益が発生し、収益に対しての必要経費を差し引いた利益に「所得税」という税金がかかります。しかし、家賃収入から必要経費を差し引いた金額が赤字であり、なおかつ給与所得や雑所得で納税した税金がある場合は「納税した所得税の還付」が受けられます。

また、会社員の給与所得などと投資によって生じた損失を相殺することで、課税対象となる所得を減らして所得税を少なくできます。たとえば給与所得が600万円で、不動産所得によって100万円の赤字が出た場合、課税対象となる所得は本来の所得の600万円ではなく、“600万円-100万円=500万円”となり、課税所得が少なくなります。不動産投資で発生したマイナス分を差し引けるため、課税総所得金額が少なくなり、結果として納税すべき金額が減らせるのです。

住民税についても所得金額をベースに算出されるため、所得税が少なくなれば「住民税も少なくなる」ことになります。しかがって、不動産所得が赤字になる場合は、1年間の所得税と住民税の両方を節税が可能です。

■住民税の節税

住民税もまた、先に述べた「損益通算」によって節税できるケースがあります。所得税同様、会社の給料で納めた住民税から不動産投資のマイナス分を差し引くことができ、結果として納税すべき金額が少なくなるのです。

不動産投資を始めた当初は、利益よりも経費としてかかる金額の方が多くなってしまい、赤字になるというのが一般的です。しかし、赤字になったとして所得税や住民税が軽減出来るために、不動産投資は得られるメリットが大きいと言われています。

とはいえ、これらの税金が節税できるのは不動産投資による利益が「マイナス」になっている場合のみ、ということを把握しておかなければなりません。もちろん、節税が不動産投資における大きなメリットであることは否めません。ただ、不動産投資の本来の目的は節税ではなく、収入を得ることです。節税ばかりに目を向けていると見逃しがちですが、投資という観点から見るとプラスの状況ではないことを理解しておきましょう。

■贈与税の節税

全く同じ物件であっても、相続税より贈与税の方が高くなる傾向にあります。このとき税金対策として利用されるのが「相続時精算課税制度」です。

相続時精算課税制度とは、60歳以上の祖父母または父母から、20歳以上の子や孫に贈与を行う場合、財産の評価額が2,500万円までの贈与であれば贈与税がかからないというものです。2,500万円を超える財産贈与の場合、2,500万円までは課税対象外となり、2,500万円を超えた分にのみ、一律20%の贈与税を支払わねばなりません。例えば4,500万円の財産を子どもに贈与する場合、4,500(財産)-2,500(課税対象外金額)で計算することとなり、贈与税は残りの2,000万円にのみかかります。

しかし、名前にもある通り「相続時精算」課税制度であるため、被相続人が死亡して相続が発生する際には、この制度により贈与財産の価格をすべて被相続人の相続財産に加算したうえで、相続税の計算を行ないます。つまり、贈与財産の価格によっては税金が高くなってしまうリスクがあることを認識しておきましょう。

なお、贈与財産の価格は贈与時の時価が適用されるため、贈与時から相続時までに財産の時価が上がることが確実な場合は、当制度の利用によって大きな節税に繋がるケースがあります。例えば、3年後に時価が1,500万円から3,000万円に上がる財産を3年後に相続するとしましょう。この場合、通常通り相続税が発生するとなると時価3,000万円に対して相続税が課税されます。しかし、財産を時価1,500万円のうちに相続時精算課税制度を利用して贈与しておけば、相続時清算として相続税を支払う際には、贈与時の時価1,500万円に対してのみ相続税が課税されるというわけです。

1つ注意すべき点として、当制度は暦年贈与との併用ができません。暦年贈与とは、毎年110万円までであれば、子や孫に財産を渡しても贈与税がかからない仕組みのことで、長期間的な利用によって大きな節税効果を生み出します。もし暦年贈与を利用するのであれば、相続時精算課税制度が適用できないことを頭に入れておきましょう。

◆相続税の節税

不動産投資によって相続税が節税できるのは、土地・建物を「賃貸用不動産」として相続することができ、現金よりも「相続税評価額」を下げられるからです。

現金を相続する場合、相続税の計算に用いる相続税評価額は、現金そのままの金額が反映されます。例えば、現金5,000万円を相続するのであれば、そのまま5,000万円が相続税評価額となります。また、不動産投資を行わずに土地を相続する場合、それが更地や賃貸用でなければ「路線価」が相続税評価額となり、建物であれば「固定資産税評価額」が相続税評価額として反映されます。

しかし、所有している土地を投資目的の不動産に換えた場合には、貸家貸付地として通常の土地よりも評価額が低くなります。建物も「貸家」となるため、同様に評価額が低い状態となるのです。この状態で相続税が算出されるため、結果として納めるべき税金額が減ります。

これが不動産投資による相続税の節税に関する仕組みです。「相続税評価額」を賢く活用することで、大幅な節税が可能になります。

節税目的で不動産投資を行う場合の注意点

不動産投資による節税は、確かに大きなメリットといえます。活用方法次第では、大幅に税金を減額できるでしょう。しかし、節税目的で投資を考えるときには、いくつかの点に注意する必要があります。

投資が順調になると節税が難しくなる

不動産投資による節税について考えたとき、大きく関わってくるのが「損益通算」です。先に述べた通り、投資で出た損額分を会社員として納税した税金分から差し引き、最終的に課税対象額を減らすというものです。一般的にマンション経営など賃貸物件を運用するには、修繕費用や管理料、火災保険料など様々な「経費」がかかります。特に物件購入時には初期費用が多くかかるため、赤字になることも多く、節税という恩恵を受けられるケースが多いです。

しかし、2年目以降は初年度ほど多額の経費がかからなくなり、なおかつ投資についての知識・経験が増えて運用が順調になるケースがあります。その結果、経費が利益を上回る状況が少なくなり、課税対象額を減らすことが難しくなります。

減価償却費について理解しておく

不動産投資にかかる3大経費として挙げられるのが、固定資産税・借入金利子・減価償却費です。なかでも「減価償却費」は物件によって大きな比重を占めることもあり、これをうまく活用することで節税につながることがあります。

減価償却とは、10万円以上の固定資産を持つ場合において、その資産を使用できる時間の経過に応じて、分割しながら費用を計上する方法です。「モノの劣化」に対する財産価値の低下分を経費として計上するため、その分利益が減り、支払う税額を抑えることができるのです。

減価償却費を経費として計上できるのは「法定耐用年数まで」と決まっています。法定耐用年数とは、その資産が使用可能とされる期間のことであり、財務省が定めています。期間を過ぎると経費として計上できなくなり、思うような節税効果は見込めないことを把握しておきましょう。

そして、個人事業主は毎年強制償却となるため、忘れずに経費として計上する必要があります。赤字だからといって翌年へ先送りすることはできませんので、注意しましょう。

不動産投資本来の目的は節税ではない

不動産投資が節税効果を生み出すのは事実ですが、限定的であることを留意しておく必要があります。所得税や住民税に至っては、赤字になった場合にのみ大きな効果を得られます。これが果たして不動産投資の成功例なのかというと、そうではないはずです。不動産運用による節税をうまく活用するのは、賢い投資方法だと言えます。ただし、あくまで不動産投資は節税が主な目的ではなく、収入を得るためのものだということを改めて認識しておきましょう。

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