近年、働く女性が急速に増えています。総務省が発表している「就業構造基本調査(2017)」によると、2017年時点における有業率(15歳以上人口に占める有業者の割合)は、男性69.2%、女性50.7%となっており、特に女性は2012年の前回調査より2.5ポイントも増加しています。女性全体のうち、有業者が占める割合はついに半数を超えました。
さらに特筆すべきなのは、全ての年齢階級で有業率が上昇していることでしょう。25~59歳までは7割を超え、15~64歳でも68.5%と、ほぼ7割の有業率となっています。またこれから先、働く女性はさらに増えていくと予想されています。そこで本稿では、働く女性とお金について、2019年に行われた“ある調査”を基に考察していきましょう。
“ある調査”とは
ある調査とは、日本FP協会が2019年3月に発表した「働く女性のくらしとお金に関する調査2019」です。この調査では、2019年2月15~19日の5日間にわたり、全国の20~50代の就業女性を対象にインターネットリサーチを実施しています。有効サンプルは1,200名。もちろん、ポイントとなっているのは“働く女性”です。
昨今、働く女性が急増している背景には、生産労働人口の減少という日本の構造的課題を踏まえ、社会全体で女性の社会進出を後押ししている現状があります。こうした動きが消費の現場に与えている影響は大きく、特にお金の動きについて、どのようなニーズが発生、あるいは上昇しているのかを知ることは非常に重要です。
本調査から見えてきた3つのポイント
本調査からは、副業、資産運用、老後資金への意識など、各方面でお金に対する意識が高いことが見て取れます。これから先、殊にお金に関しては、男性と女性の差異がほぼ無くなるのではないかと予想されるほどです。具体的に、「仕事」「マネープラン」「お金の認識」という3つの視点から、その要点を探っていきましょう。
仕事に対する意欲は高い
まずは、仕事に対する意欲についてです。「外に出て働いていたい」と「家庭のことに注力していたい」のいずれかを選ぶ質問では、前者が62.7%、後者が37.3%と、ダブルスコアに近い結果となりました。20代を除き、全ての年代で前者が6割を超えていることから、家庭にいるよりも外に出て働きたいという意向の方が、現代の女性にとっては強いようです。ただし、働き方としては「緩く働きたい」という意見が多いようです。
マネープランの中心は「節約」
次に、マネープランについてはどうでしょうか。働く女性のうち、半数が自身を「節約上手」だと認識しているようです。また、「生活の余裕や貯蓄を増やすためにしていること」という質問では、1位が「変動費の節約」、2位が「家計簿をつける」となっているように、マネープランへの堅実な対応がうかがえます。また、働く女性の4人に1人が副業をしており、その月平均収入額は1万3,878円である点も見逃せません。
お金に対するシビアな認識も
また、お金に対する堅実な姿勢は、いざというときのために用意しておくべき金額にも表れています。例えば、「結婚資金として計画的に準備しておくべきだと思う金額」は平均188万円、「妊娠・出産費用(子どもがいない人)」は平均126万円です。さらに、「住宅購入資金(頭金)」と「老後の生活資金」のイメージは、それぞれ平均725万円、1,508万円と、現実を踏まえたシビアな数字が挙げられています。
女性、シニア、外国人が市場を牽引する社会へ
本調査の結果も明らかなように、女性の仕事やお金に対する意識は非常に高いといえます。女性の社会進出が進むにつれて、こうした動きはさらに顕著なものとなるでしょう。また女性に加えて、シニアや外国人など、これからの日本社会を牽引するプレーヤーにも注目することが、消費の現場や日本社会全体の動向を見極める鍵となりそうです。
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