「賃貸ニーズのある東京都心の物件はローリスク」。これが一般的な不動産投資のセオリーです。一方、東京都心の物件だけに集中投資すると、不可抗力の事態が起きたときに大きな損失をこうむるおそれも。これを回避するには、いくつかの地方に分散投資するのが有効ですが、具体的にどの自治体を選ぶとよいのでしょうか?
分散投資していれば、賃料下落や地震のリスクを軽減しやすい
マンション経営では、「東京都心+いくつかの地方」に分散投資した方が、安定経営がしやすいという考え方もできます。たとえば、ある自治体で需給バランスが崩れて賃料が下落したとき、1カ所に集中投資していると、ダイレクトに影響を受けます。しかし、複数の自治体に分散投資していれば、賃料下落の損失は軽減できます。
また、(新築の耐震マンションならあまり心配ないですが)中古物件を中心に不動産投資をする方は、地震リスクも気になるところです。とくに、旧耐震基準の築古マンションは倒壊などの可能性もあります。この場合も、複数の自治体に分散投資することで損害を軽減できます。
経済面で勢いのある大阪市は投資エリアの有力候補
では、いくつかの地方に分散投資をするとき、具体的にどの自治体をセレクトするのが賢い判断でしょうか。経済面での勢いで考えると、有力候補のひとつとして、大阪市が挙げられます。好調なインバウンド、万博開催、IR(カジノを含む統合型リゾート施設)誘致などの追い風が吹いています。
ただし、これから先の大阪市は、「人口が増加する区」と「人口が減少する区」の二極化が進むと予測されています。そのため、大阪市の中でも、長期的に賃貸ニーズの高いエリアを見極めて投資することがポイントになります。参考までに、みずほ総合研究所作成のレポート「みずほインサイト 政策」(2019年1月17日付)によれば、2015年から2045年までの人口増加率の上位5区は次の通りです。
● 西区 26.4 %増
● 中央区 22.3%増
● 北区 19.7%増
● 福島区 17.4%増
● 天王寺区 14.3%増
不動産投資のエリア選択の指標は、人口予測がすべてではありませんが、重要な判断材料のひとつです。
福岡市や那覇市など安定した人口の自治体も投資候補
東京、大阪、さらに他の自治体の賃貸マンションを組み合わせれば、さらに分散効果が高まります。その有力な自治体の一例としては、「福岡市」と「那覇市」があります。両市ともに人口が今後数十年にわたって安定していると予想されている点が魅力です。
2019年1月時点の福岡市の人口は、約158万人。人口のピークは2035年頃の約160万人で、その後は横ばいに転じると予想されています。一方、那覇市の現在の人口は、 約32万人。1990年代前半に減少に転じていた人口が1990年代後半から盛り返し、その後、維持し続けている珍しい自治体です。今後は人口減少期に入ると見られていますが、減少カーブは比較的ゆるやかです。
このようにさまざまな自治体の人口動態などを比較しながら、投資エリアを絞り込んでいくのが賢明です。
人口が急減している自治体が投資対象になることも
では、ここでご紹介した大阪市・福岡市・那覇市に代表されるような「経済面や人口動態で好調な自治体」以外は投資対象から外すべきでしょうか。これは一般論で言えば、「YES」となるでしょう。マーケットが縮小している環境で安定経営をしていくのは至難の業です。しかし、「実家がある」「ビジネスでよく訪れる」など、その自治体の特性を熟知しているなら検討に値するケースもあります。
前出のみずほ総合研究所レポートの分析にある通り、これから先は全国的に地方でも都心集中が進むと考えられます。これは、都道府県単位で見ると人口が急減しているとしても、県庁所在地などの主要都市には人口が集中する現象です。
次に、市町村単位で考えると、以下の条件のエリアは、仮に市町村全体で人口が急減していても、人口集中が起きやすいと考えられます。このようなエリアに立地する物件は、賃貸ニーズが高い可能性があります。
● 商業施設が充実している
● 主要道路にアクセスしやすい
● 子育ての利便性が高い など
言うまでもなく、上記の条件に該当していても、慎重なエリア選定は必要です。
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