
今、ビジネスパーソンには多様な能力が求められています。人間関係を構築する力、ビジネスを成功に導くための論理的な思考と情熱、さらには美的センスも必要です。企画書や報告書をより見やすく分かりやすいデザインに仕上げるのも、ビジネスにおいて大切な能力の一つといえます。そこで、資料の内容と同等に尊重されるデザインセンスを美術館で磨いてみましょう。前回の関東編に続き、今回は関西にあるおすすめの美術館を3つご紹介します。
大和路の空気を写真で体感【奈良/入江泰?記念奈良市写真美術館】

写真家・入江泰吉氏の写真作品が集められた美術館です。半世紀もの長い時の中で、彼がレンズを向けたのは、奈良の風景や仏像たち。約8万点の作品から、日本のわびとさびや四季のうつろい、仏像の中にある”美”を感じ取ることができます。
写真という枠から、今にも飛び出してきそうな臨場感あふれる作品は、まるでリアルさを極めた油彩画のよう。構図のすばらしさはもちろん、和の情緒があふれる色彩に胸を打たれます。美術館の外観も、自然と調和した瓦ぶきの大屋根にガラス張りの外壁、モダンなモニュメントや内装など、美術館全体が温故知新を体現しているかのようです。
この美術館の設計は、美術館や博物館も多く手がけてきた建築家の黒川紀章氏です。有名な建築物には、カプセル型のマンション中銀カプセルタワービルや波打つような外観の国立新美術館などがあります。同氏は、入江泰吉記念奈良市写真美術館で日本芸術院賞を受賞しました。
館内では、写真集や入江泰吉に関連する書籍も販売されています。仏像の厳かな雰囲気と、大和路の美しい景観をぜひ自宅に持ち帰りビジネスに活かしましょう。
―基本情報―
住所:奈良市高畑町600-1
TEL:0724-22-9811
営業時間:9:30~17:00
天才建築家が設計した【MIHO MUSEUM/滋賀】

「桃源郷はここ」というコンセプトで作られた美術館。創立者の小山美秀子氏が40年以上にわたり収集した、仏教美術や書画などのコレクションが展示されています。
この美術館の建築のデザインを手掛けたのは、20世紀に活躍し、天才建築家と呼ばれたI.M.ペイ氏です。ニューヨークのエバーソン美術館、香港の中国銀行、カタールのイスラム美術博物館なども手掛けています。同氏のデザインはとても特徴的で、それぞれの国でシンボルマークとなっています。
MIHO MUSEUMでは、I.M.ペイ氏のこだわりが随所に感じられます。本館に向かうトンネルを抜けると、陽の光とともに現れるのは本館の民家風の屋根。本館内の開放的なガラス張りのエントランスからは、立派な松の木と滋賀の青い空を望めます。
特徴的なのは、展示室や廊下に見られる六角形のデザインです。大小さまざまな六角形を探していくうちに、美術館の奥へ奥へと誘い込まれます。美術品と芸術的な建築デザインが作り出す幻想的な空間をぜひ体感してください。
―基本情報―
住所:滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
TEL:0748-82-3411
営業時間:10:00~17:00
山の中の美術館【アサヒビール大山崎山荘美術館/京都】

実業家・加賀正太郎の別荘として建てられた「大山崎山荘」を美術館にしたものです。大正から昭和時代にかけ建てられた、ヨーロピアンな外観の木造建築物。かつて、加賀正太郎が実際に目にしたイギリスの炭鉱夫の家をイメージしたデザインとなっています。
晩年、加賀正太郎はこの建物を朝日麦酒株式会社(現アサヒビール株式会社)の初代社長であった山本爲三郎(ためさぶろう)に譲ります。その後、取り壊しの計画も出ていた山荘でしたが、アサヒビール株式会社が行政と連携を取りながら復元しました。1996年には安藤忠雄氏設計の新棟を加え、同年4月に美術館としてスタートしました。
安藤氏といえば、数々の賞を手にしてきた有名な建築家です。同氏は地中館を「地中の宝石箱」、山手館と「夢の箱」名付けました。円柱形の地中館は景観との調和を考え半地下構造で設計してあります。地中の展示空間へと向かう、打ち放しのコンクリートとガラスで作られた通路からは、緑豊かな景色を楽しむことができます。
箱型の山手館は直線的なデザインとなっており、モダンながらも不思議と自然に調和します。その内部はシンプルにまとめられ、それが美術品を引き立てているようです。
森と川、豊かな自然に囲まれて、油彩画や陶器、織物、アンティーク家具などをじっくりと鑑賞しましょう。実業家として数々の成功を収めた加賀正太郎氏のマインドを受け継ぐ建物と、朝日麦酒株式会社の初代社長がコレクションしていた美術品の数々を見れば、ビジネスへの情熱が湧き上がってくるかもしれません。
―基本情報―
住所:京都府乙訓郡大山崎町銭原5-3
TEL:075-957-3123
営業時間:10:00~17:00
今後は大阪の建築物に注目!
いやしと学びを与えてくれる美術館の展示と建築デザインですが、今後の注目は、大阪万博に沸く夢洲(ゆめしま)とその周辺地区です。カジノを含む統合型リゾートの開業と万博の開催が同時となれば、今はまだ空き地の目立つ夢洲周辺地区にも多くの建築物が並ぶようになるでしょう。さまざまな団体、企業が描く夢洲の未来予想図のイメージパースのデザインも要チェックです。
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