
リクルートホールディングス(以下、リクルート)では、8領域でのトレンド予測を毎年発表しています。2019年の住まい領域のトレンドキーワードは「デュアラー」。新しいスタイルで都会と田舎を行き来する人が増えるとの予測ですが、これまでの2拠点生活者とどこが違うのでしょう。一緒に資料をひもといていきましょう。
これまでの2拠点生活者と現代のデュアラーはどう違う?
デュアラーとは、都会と田舎のデュアルライフ(2拠点生活)を楽しむ人々のことです。ここで「?」と思った方もいるのではないでしょうか。ふだんは都会で暮らし、長期休暇を避暑地の別荘で過ごす中高年層の2拠点生活者は珍しくないからです。わざわざトレンド予測としてフォーカスするほどのライフスタイルではありません。
今回、リクルートが着目したのは中高年層の2拠点生活ではなく、20代・30代のデュアルライフです。より気軽に、リーズナブルに2拠点生活を満喫しているのが特徴です。
最近は2拠点生活者の約6割を20代・30代が占める
では、2拠点生活者のうちどれくらいの割合を若い世代が占めているか確認してみましょう。リクルート住まいカンパニーが実施した調査(※)では、2拠点生活者の世代構成比は、20代・30代がともに29%となっています。
つまり、約6割を若い世代が占めているわけです。これに対して、60代以上は15%にとどまっています。最近のデュアルライフは、若い世代中心になっていることがよくわかります。
※「デュアルライフ(2拠点生活)に関する意識・実態調査2018」
泊まる、借りる、買うなど選択肢の多さも特徴
20代・30代は、実際にどのようなデュアルライフをおくっているのでしょうか。冒頭で触れた通り、これまでの2拠点生活は高級別荘が主体でした。これに対して、最近のデュアルライフは次のように選択肢が増えていると、リクルートでは分析しています。
・泊まる:リーズナブルなホステルやコリビングの活用
・借りる:月2万円程度(※)から利用できる賃貸物件
・買う:300万円程度(※)から購入できる古民家
※費用はエリアによって異なる
つまり、2拠点生活という言葉は同じでも、これまでとは中身がまったく違います。
若者中心の2拠点生活はすでにトレンドになりつつある
リクルートでは、デュアラーがすでにトレンドになりつつあることを、いくつかのデータが示しています。ひとつめは、リクルート住まいカンパニーの調査(※)の「2拠点生活者の推移数」です。
2011年に9.7 万人だった2拠点生活者は、2015年には18万人に急増。その後の2016年以降は16~17万人に推移しています(数値はすべて推計)。すでに相当数のデュアラーが存在し、今後きっかけがあれば伸びる可能性があると考えられます。
東京都内で開催されている「2拠点サロン」も盛況
もうひとつ、デュアルライフがトレンドになりつつあることを示すデータが、「南房総2拠点サロン」の模様。これは、2拠点生活の実践者および、デュアルライフに興味を持つ方が毎月新宿に集まるイベントですが、50名ほどの参加者が集まったことが紹介されています。
ちなみに、千葉県の南房総(館山市、勝浦市、鴨川市など計8つの自治体)は、東京に比較的近く、豊かな自然と温暖な気候という魅力があるため、移住希望者に注目されるエリア。住宅・就業の支援や空き家情報の提供などが充実しているのも特徴です。このような移住者獲得に力を入れる自治体が各地に存在することも、デュアルライフがトレンドになる源泉と考えられます。
見てきたように「デュアラー」がトレンドになる予測は説得力があります。国内では急増する空き家が深刻な問題になっています。合わせて、地方の人口減少も日本の活力を低下させる原因とされています。デュアラーは、これらの問題の解決策として今後大いに期待されてゆくでしょう。
参考文献:リクルート「2019年トレンド予測 住まい領域」
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