
2019年4月1日から改正出入国管理法(入管法)がスタート、今後5年間で約34万5,000人もの外国人を受け入れ、その大多数が単身、かつ大都市圏に集中すると予測されます。一方で多くの家主は外国人受け入れをためらいがちです。しかし、だからこそそこにビジネスチャンスが生まれるといえます。
すでに「多民族国家」の日本
法務省統計によると、日本国内の在留外国人(中長期在留者と特別永住者の合計)は2018年6月時点で約263万人と過去最高を更新しました。2012年の約203万人と比較すると、3割ほど増加しています。トップは中国の約74万人で、かつてマジョリティーだった特別永住者(約33万人)の約2.2倍です。在留目的としては、技能実習生(約29万人)や留学生(約33万人)などが急増する一方で、永住者(約75万人)・定住者(約18万人)やその配偶者(約14万人)も確実に増加しています。
都道府県別には、東京都(約56万人)、愛知県(約25万人)に次いで大阪府(約23万人)が第3位。全国に占める構成比は約10%です。歴史的に特別永住者の割合が高いように思える大阪府ですが、現在その割合は3人に1人となっています。むしろ「ニューカマー」の方が多数派なのです。府内のうち2017年12月末時点における大阪市の在留外国人数は約13万3,000万人。2017年10月1日時点の大阪市の総人口約271万人に占める外国人の割合は20人に1人に達しています。
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人手不足対策で約34万5,000人受け入れ
人口減少と人手不足が続く日本において、在留外国人は貴重な働き手です。同時に、閉塞化した日本社会に多様な価値観をもたらしイノベーションを産み出す原動力としても期待されています。4月施行の改正入管法では、在留資格に「特定技能者」を追加、初年度は約5万人、今後5年間で約34万5,000人を受け入れる見通しです。
特定技能者はビル清掃・建設・農業・漁業・食品製造などの14業種が対象で、単純労働が中心の1号と、高度なスキルが求められる2号の2段階に区分されます。1号の在留資格は5年ですが、2号になると更新できる資格に変わり、家族の帯同も可能です。また、特定技能者だけではなく在留資格別では経営管理・企業内転筋・高度専門職など上場企業で活躍するような「ホワイトカラー外国人」も確実に存在感を増しつつあります。
最近の新卒採用では、上場企業も留学生や海外在住外国人採用に力を入れており、留学生を採用する上場企業は4社中1社に達しています。
住まいを確保するのが大変な外国人
外国人を受け入れるためには、生活環境の整備が欠かせません。政府は改正入管法に先立ち「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」を公開しましたが、テーマの1つに「住宅確保のための環境整備・支援」が掲げられています。この中で「対応策」は、「外国人を雇用する企業に対し、自ら住宅を確保するか保証人になって住宅確保をサポートさせるよう、具体的な環境整備を行っていく」としています。つまり、それだけ外国人というだけで入居を断る大家さんが多いのです。
賃貸オーナーが外国人を敬遠する理由としては、「夜中にパーティーをして騒ぐ」「ゴミ出しルールを守らない」「知らない間に同居人が増えている」などになります。逆にこれらの問題は「雇用主とのコミュニケーション」「外国人専門保証会社の活用」「日本語能力の事前確認」などでクリアできるので、受け入れ余地はあるわけです。とくに在留外国人の場合、留学生や特定技能者など単身渡日するケースが多いので、ワンルームオーナーにとってはまたとないビジネスチャンスといえるでしょう。
在留外国人は労働者や留学生である前に、生活者でもあるのです。つまり、私たちが外国人を受け入れるよう、多様性を持った社会を作っていくことが求められているともいえます。その意味で生活拠点の提供は、ビジネスチャンスであると同時に解決すべき社会的課題の一つです。賃貸経営はもちろん、利益捻出が最優先ですが、同時に世のため人のためにつながるのならば、それは喜ばしいことなのかもしれません。
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