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中古マンション市況、コロナでどうなった?

新型コロナウイルスが日本でも猛威を振るい、度重なる緊急事態宣言などで飲食業や観光業、レジャー産業を中心に経済にダメージを与えています。そこで、不動産にはどういった影響を及ぼしているのか、気になるところでしょう。ここでは、コロナ禍中の2020年4月と2021年4月のデータを基に、中古マンションの市況について見ていきます。

コロナ禍の発生で件数・単価ともに急減

まず、次のグラフをご覧ください。

■2020年4月 近畿圏中古マンション件数(専有面積:~350㎡)

出典:近畿レインズ マンスリーレポート ダイジェスト 2020 年 5 月号
http://www.kinkireins.or.jp/monthlyreport/digest/202005.pdf

日本では2020年1月からコロナ禍が広まり始め、最初の緊急事態宣言が大阪府や兵庫県など7都府県に発出されたのは4月7日。その後、16日には全国に拡大されました。上の近畿圏中古マンション件数のうち、4月の成約件数は922件でした。前月より半減し、前年同月比でマイナス43%と大幅に急減したことが見て取れます。前年比マイナスは5カ月連続です。
また、新規登録(売り出し)もマイナス5%と、5カ月ぶりに前年を割り込みました。新型コロナという初めて直面するウイルスの脅威で、外出自粛が行き渡った影響が如実に表れたといえます。

では、中古マンションの単価においてはどうだったのでしょうか。次のグラフをご覧ください。

■2020年4月 近畿圏中古マンション㎡単価(専有面積:~350 ㎡)

出典:近畿レインズ マンスリーレポート ダイジェスト 2020 年 5 月号
http://www.kinkireins.or.jp/monthlyreport/digest/202005.pdf

近畿圏中古マンションの㎡あたりの成約単価は、2020年4月は32万5,000円で、前年比4.2%のダウンです。単価の下落は4カ月連続で、前年比での下落は3カ月連続です。一方、新規登録において、2020年4月の単価は38万4,000円と前年比4.2%増加しました。前年同月比は、2017年5月から36カ月上昇が続いています。

2021年4月は反動回復

では次に、そこから1年後の2021年4月の、同じく近畿圏の中古マンションの状況を見ていきます。コロナ禍においては、2回目の緊急事態宣言が2021年1月13日から2月28日にかけて大阪府、京都府、兵庫県に発出されています。

■2021 年 4 月 近畿圏中古マンション件数(専有面積:~350 ㎡)

出典:近畿レインズ マンスリーレポート ダイジェスト 2020 年 5 月号
http://www.kinkireins.or.jp/monthlyreport/digest/202105.pdf

まず、件数。成約件数は1,413件で、前年の922件よりも491件、増加率では53.3%と大幅な上昇となりました。一義的には、前年4月における前年比マイナス43%の反動といえますが、コロナ禍はまだ続いていることもあり、コロナ以前の2019年4月の1,597件と比べるとマイナス11.5%という状態です。
新規登録(売り出し)は4,670件で、前年に続くマイナスで6.7%減少しています。マイナスは8カ月連続です。つまり、コロナ禍で売り主は慎重にタイミングを見計らっているといえるでしょう。

次に、同じく中古マンションの単価を見てみます。

■2021 年 4 月 近畿圏中古マンション㎡単価(専有面積:~350 ㎡)

出典:近畿レインズ マンスリーレポート ダイジェスト 2020 年 5 月号
http://www.kinkireins.or.jp/monthlyreport/digest/202105.pdf

㎡あたりの成約単価では、2021年4月は36万300円で、こちらも前年比プラスの10.8%のアップとなりました。前年同月比増は3カ月連続です。一方、新規登録の㎡あたりの単価は、39万6,300円で、前年同月より3.2%のアップです。前年同月比アップは2017年5月から48カ月(4年間)連続です。中古マンションの値上がり傾向は堅調と言えます。

コロナの影響はさほど大きくない

では、コロナ禍の影響はどんな状況なのか、「レインズの近畿圏市況レポート」から、過去10年間の市況の推移で見てみましょう。

出典:近畿レインズ 2020年度年刊市況レポート
http://www.kinkireins.or.jp/trend/nenpo/2020/index.html

過去10年の推移で見れば一目瞭然、日銀が「アベノミクス」を受けて大幅な金融緩和を行う“黒田バズーカ”を放った2013年1月以降、成約単価は右肩上がりのトレンドが続いています。その中で、コロナ禍直前の2020年1月に最高値をつけ、直後に急落しました。ここ2年間では2020年5月が底値で、落ち込み幅は8万円ほどと大きなものでしたが、すぐにまた元の上昇トレンドにキャッチアップしています。

成約戸数でも、上の図のとおり2020年4月のマイナス42.2%、5月のマイナス35.5%という大幅ダウンから急速に持ち直し、2021年4月は58.9%と前年の反動増をしていることが見て取れます。

出典:近畿レインズ マンスリーレポート2021年11月号 (No.107)/ №090 2020年6月号
http://www.kinkireins.or.jp/trend/#trend_03

以上のことから、コロナ禍で当初は市況が大幅に落ち込む影響を受けたものの、すぐに回復に転じ、落ち着きを取り戻していると言えます。今後、ワクチン接種が進むことを考え合わせれば、不動産投資においてさほどコロナ禍を心配する必要性はないと言えるのではないでしょうか。

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