大都市圏の新築ワンルームは、高い家賃と低い空き室率が人気を集めています。一方で、投資価格は新築プレミアムが付くため高くならざるを得ず、投資利回りは低く、返済を加味したキャッシュフローは一般的にはマイナスです。成功のカギは、いかに高く売却して最終的なキャッシュフローをプラスに持っていくかにあります。
ただし、不動産の場合、「いくらで売れるか」の前に、「売れやすいかどうか」が重要であり、それは物件選びの段階で決まってくるのです。今回の記事では、流動性がなぜ大切なのかを検証すると同時に、大都市圏新築ワンルームの物件選びにおいてどんな要素が流動性に影響するのか考察します。
大都市新築ワンルーム投資において流動性が大切な理由
利回りの低い大都市新築ワンルーム
大都市新築ワンルームの魅力は、何といっても家賃の高さです。例えば、大阪市の場合、家賃の平均水準はお隣の兵庫県の3割増しといった水準で、なおかつその水準は拡大傾向にあります。ちなみに、家賃は築年が古いほど低下し、毎年1%ずつ落ちるとされています。つまり、新築は家賃面で有利かつ、入居者が見つかりやすいのも特徴です。
地方圏が2割を超える空室率で苦しんでいるのに対し、大阪府は8%台を維持しています。ただし、木造アパート系は極端に空室率が高いので、鉄筋系ワンルームが鉄板です。一方で、大都市圏新築ワンルームの場合は投資価格が高いため、利回りが低くならざるを得ません。ちなみに、利回りとは年間の家賃収入(管理費などの経費控除後)の投資価格に対する割合で、投資価格が上がれば利回りは低下します。
地域別にワンルームタイプの期待利回りを比較した2018年4月のデータでは、仙台市5.7%に対して大阪府は5.0%です。大都市ほど利回りが低いことがわかります。さらに、中古物件価格は10年で6割まで落ちるとされ、一方で家賃収入は1割程度しか落ちないので、利回りは上がりやすくなります。「中古物件は利回りが高い」のには、こうした事情が働いているのです。
「高く売れる」の前に「売りやすい」ことが大事
利回りで見劣りする分は、最後のリセールで挽回します。具体的には、投資額に金利負担を加えた金額を、家賃収入(経費を除いた金額)とリセールバリューで回収するのです。ただし、不動産の場合、「高く売れるか」の前に、「売りやすいこと」が大事です。つまり、物件を選ぶ段階で、流動性の高い物件を選ぶべきといえるでしょう。
流動性とは、上場株式・預貯金などの金融商品や不動産について、いかにスピーディーに現金化できるかを示した指標です。取引市場でいつでも、それこそスマホを1タップで売却できる上場株式や投資信託と違って、相対取引の不動産は物件の個別事情によって流動性が大きく異なります。人気エリアタワマンのように飛ぶように売れる物件もあります。
しかし、立地条件によってはまったく買い手がつかないといったことも少なくありません。だからこそ、購入段階で物件の流動性をしっかり見極めることが大切なのです。
何が流動性に影響するのか
では、どういったファクターが流動性に影響するのでしょうか。まず、利便性です。例えば、駅近な物件ほど流動性は高く、リセールバリューも駅から徒歩約3分以内の物件は徒歩約20分以内の物件より13%ほど値落ちしないとされています。とくに賃貸物件の場合、駅近物件は通勤・通学での利便性だけでなく商業施設や学校・病院などへのアクセスにも優れるので、流動性の重要なカギを握るのです。
その他、賃貸ランキングなどで上位にあるエリアは流動性も高いとされています。ちなみに、大阪では梅田・天満橋・谷町9丁目といったエリアが人気の傾向です。大都市部の新築ワンルームは、家賃収入が期待できる有利な投資商品とされています。ただし、不動産販売業者は必ずしも顧客本位ばかりのところとは限りません。流動性に注目して、主体的な判断に基づく物件選びを心がけていきましょう。
人気の記事ランキング
キーワードから記事を探す
注目の不動産投資セミナー
大阪・京都・神戸
大阪・京都・神戸の物件を希望の日程で見学できる物件見学会を開催中!
- 日程
- 適時開催
- 会場
- 見学対象の区分中古マンション
名古屋
名古屋の物件を希望の日程で見学できる物件見学会を開催中!
- 日程
- 適時開催
- 会場
- 見学対象の区分中古マンション