
上記タイトルへの回答としては、住宅ローンと不動産投資ローンを、ダブルで組むことは可能です。ただ、資産形成をスムーズに進めるためには、住宅ローンと不動産投資ローンの異なる点をよく知っておく必要があります。幾つかのテーマに分けて、両者の違いを比較していきましょう。
ローンの性格の比較:不動産投資ローンはビジネスに対する融資

同じローンでも、住宅ローンと不動産投資ローンとでは、根本的に特徴が異なります。
分かりやすくいえば、住宅ローンはモノを買うためのもの。ショッピングローンや自動車などのローンと同じ性格を持ちます。ただし、これらのローンと違って、住宅ローンは低金利で融資額が多いという特徴があります。住宅ローンの金利が、自動車やショッピングのローンなどよりも低金利である理由は、不動産という強い担保があることが一因です。
一方、不動産投資ローンは、ビジネスに対する融資です。住宅ローンと同様に、不動産が担保である点は変わりませんが、その不動産を活用して「経営計画通りの収支が出せるかどうか」も含めて審査されます。
ローン審査基準の比較:マイホームは所得重視、不動産投資は担保力・収益性重視

おおまかな傾向でいうと、住宅ローンは属性(年収・勤務先など)が重視され、不動産投資では担保力・収益性が重視されるといわれます。なぜこのような違いが出るかというと、返済の原資(元手)が、住宅ローンは給与などの所得であるのに対し、不動産投資は賃料収入から運営コストを差し引いた収益であるからです。
注意すべき点は、どちらのローンも金融機関ごとに審査基準がかなり違うことです。特に不動産投資ローンでは、融資の可否・融資額・金利が金融機関ごとに大きく変わってきます。
ローン融資額の上限:マイホームは年収ベース、不動産投資は物件次第
住宅ローンと不動産投資ローンをダブルで組むという視点からすると、以下の「ローン融資額の上限」というテーマが最も重要かもしれません。
住宅ローンについては、「年収の×倍まで借りられる」という意見がインターネット上にたくさん上がっています。実際には、「2018年度 フラット35利用者調査」を参考にすると、世帯年収の6~7倍程度の融資が平均額のようです(新築物件の場合)。
一方、不動産投資ローンの場合は、年収ベースの基準がありません。資産状況・物件の担保力・収益性などを基に、金融機関ごとに判断されます。例えば、メガバンクでは融資が難しかったのに、地銀では前向きに融資されたケースもあります。
ここから先の話が特に重要ですが、住宅ローンを組むと、与信枠が小さくなるために審査が通りづらいという意見もあります。逆に、「マイホームを買っている人の方がむしろ信頼できる」、あるいは「返済さえきちんとしていれば問題ない」といった金融機関の行員の声もあります。さまざまな意見が飛び交っているのは、金融機関ごとに審査基準が異なる表れだといえます。
そのため、不動産投資ローンでは「~だから融資が受けられない」と思い込まず、まず審査にチャレンジしてみることが大切でしょう。
ローンの金利比較:住宅ローンの方が低金利 不動産投資はリスクで変わる
住宅ローンは、不動産投資ローンに比べて低金利です。例えば、フラット35の金利の範囲は1.110~1.870%、最頻金利は 1.110%です(返済期間21年~35年の場合 2019年9月時点)。
不動産投資ローンの具体的な金利は、申込者の属性や物件などによって変わってきます。一例では、大手不動産会社を経由して都内ワンルームを購入し、大手信販会社の保証でネットバンクから融資を受ける場合、2019年時点では1%台後半の金融機関が多いようです。
与信枠を気にする金融機関もあり この点に要注意
このように住宅ローンと不動産投資ローンは、同じローンでも別物です。ですから、住宅ローンを組んでいるから不動産投資ローンが組めない(あるいは逆の場合)ということは、原則ないと考えられます。
ただし、与信枠を気にする金融機関も一部あるようです。その点に注意しつつ、不動産投資とマイホームの両面から資産形成をしていくのが賢明と考えられます。
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