
これから先、本格的な人口減少社会に突入しても、主要駅の「駅近マンション」は資産価値を維持しやすいといわれます。気になるのは、この「駅近」という表現が具体的に何分を示すかです。さまざまな意見がありますが、本稿ではアンケートを元に「徒歩10分圏内」と考えました。その内容を詳しく見ていきましょう。
駅からの理想の徒歩分数を入居者目線でチェック
「駅近」には厳密な定義がありません。一般的に、徒歩5分前後であれば駅近という意見が多いようです。
入居者目線で見た場合はどうでしょうか?どれくらいの徒歩分数までなら許容しやすいのでしょうか? マイナビが東京都内に在住の男女に実施したアンケートの『理想は最寄り駅から徒歩何分以内ですか?』という問いに対して、次のような結果になりました。
- 1位 5分以内 36.7%
- 2位 10分以内 23.9%
- 3位 3分以内 15.1%
5分以内だけでなく、10分以内でも許容できる割合は一定数います。ちなみに、5分以内と答えた人の意見を見ると『どこに出掛けるにも便利』『雨でもあまり濡れなくて済む』『徒歩5分以上かかると他の交通機関に頼りたくなる』などの声が聞かれます。
また、10分以内と答えた人の意見を見ると『あまり駅からの距離が近いと家賃が高い』『静かでごちゃごちゃしていないちょうどいい距離感』といった声が聞かれます。
不動産投資をしている方の中には、「安定した不動産投資をするには、駅から徒歩5分の条件を最低でも満たしていなければならない」といった具合に、駅から徒歩5分を絶対条件として考えている人も多いと思います。しかし、アンケートの結果を見る限りは、10分圏内でもある程度の需要が期待できると考えてもよいでしょう。
単身者だけでなく最近はファミリーも駅近ニーズが高まっている

そもそもなぜ、投資マンションでは駅近がそれほど重要なのかを整理していきましょう。不動産投資では、売却益などのキャピタルゲインを目的とするのではなく、家賃収入などのインカムゲインを目的とするのが一般的です。そして、インカムゲインを安定させるには入居者のニーズにしっかりと応えられているかが重要になってきます。
たとえば、ワンルームの入居者は通勤・通学者が多いため、駅近を重視する傾向にあります。最近は、ファミリータイプの入居者でも共働きが多いので駅近ニーズが高まっています。そのため、安定したインカムゲインを得るには、駅近物件を購入して運用するのが基本といえるのです。
駅近物件は、築年数が経っても値下がりしにくい傾向も

不動産投資はインカムゲインを目的とするのが一般的ですが、売却や買い替えといった出口戦略も視野に入れる必要があります。安定したインカムゲインを得る条件だった駅近は、キャピタルゲインにも良い影響を与えます。駅近物件には、駅に近いほど築年数が経っても物件価格が下落しにくいという傾向があるのです。そのため、インカムゲインだけでなくキャピタルゲインの観点からも、駅近は不動産投資における必須条件といえるでしょう。
駅近徒歩5分~10分があてはまらないエリアも
この記事の前半で徒歩10分圏内が駅近の条件と述べましたが、中にはこの条件に該当しないエリアもあります。たとえば、臨海地域や高台の高級住宅街などは、人気のエリアであることから駅近でなくても資産価値が高く安定した需要が期待できます。
また、山手線の駅などのように、エリアの特性上、駅前の物件が極端に少ないケースもあります。特に、新宿や渋谷、池袋、大阪などの複数の路線が乗り入れるターミナル駅周辺は、商業地域のため駅近物件が希少になっています。
このようにエリアによってさまざまなパターンがあるため、物件を選ぶ際は駅から近いかどうかだけに着目するのではなく、エリアの特性などを見極めながら物件を決めていくと良いでしょう。
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